本研究は口内炎患者の粘膜上皮の分化・増殖を目的にG-CSF含嗽製剤を開発し、さらにその有効性を検証して画期的な口内炎治療薬として臨床応用することを目的とした。口腔癌に対して全身化学療法を施行した症例のうち、有害事象において口内炎grade3以上の症例を対象とした。G-CSF含嗽群は、口内炎が著しい改善を示した。一方プラセボ群は、口内炎はやや悪化傾向を示した。疼痛に関してもG-CSF含嗽群は著しくVASが低下したが、プラセボ群はVASの悪化傾向を示した。摂食状況はG-CSF含嗽群は改善を認めたが、プラセボ群は摂食状況変化なしあるいは悪化した。
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