研究課題/領域番号 |
23592932
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
不破 信和 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員教授 (50156981)
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研究分担者 |
藤内 祝 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50172127)
光藤 健司 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (70303641)
岩井 俊憲 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (00468191)
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キーワード | 口腔癌 / 超選択的動注法 / 手術支援システム |
研究概要 |
口腔癌患者に対する超選択的動注法のための手術支援システムを構築するにはナビゲーションシステムの精度を向上させるだけでは不十分であり,術中の患者頭部の位置変化による頸動脈の変形も考慮する必要がある.そのため,本年度は頸動脈血管変形について研究を行った.6人の口腔癌患者に対して64列マルチスライスCTを用いて眼窩上縁からC6までCT angiographyを治療前後で撮影した.この画像データは頭部を固定していないため,骨と血管の位置は変化していることになる.そのDICOMデータを用いて,ソフトウェア(Mimics)上で頸動脈,顎顔面骨,下顎骨と頸椎(C1~C4)をセグメンテーションした.セグメンテーションした後,顎顔面骨を基準に重ね合わせを行うことで,頸動脈の各分枝の5つの分岐点における頭部の位置変化(下顎骨や頸椎の位置変化)による頸動脈の偏位を検討した.頸動脈の偏位はカテーテルナビゲーションを行ううえで重要な誤差因子となることが示唆された.そのため,頸動脈の位置変化まで予測できるようなナビゲーションシステムを構築するために,今後頸動脈変形も加味したアルゴリズムを開発し,誤差の少ないナビゲーションシステムを開発していく必要があると思われた.本年度の研究成果は英文誌(Biomed Eng Online. 2012 Sep 4;11:65. doi: 10.1186/1475-925X-11-65.)に論文発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
カテーテルナビゲーションを行うためには,患者の頭部位置変化による頸動脈の血管変形を考慮する必要があり,その研究成果をBiomed Eng Onlineに論文発表したため.
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今後の研究の推進方策 |
開発したナビゲーションシステムの精度の向上や実際の手術室を想定した金属による影響など,ナビゲーションシステムの精度に影響を与える因子について検討する.また,超音波などの画像もCT画像と同時描出できるような複合画像融合による手術支援システムの開発を行っていく.
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次年度の研究費の使用計画 |
ナビゲーションシステムの開発・改良にかかる費用や画像構築に必要なソフトウェアの保守契約費用,カテーテルやガイドワイヤーなどの材料費などに使用する.また,学会発表のための旅費や英文校正費,論文別冊代などに研究費を使用する.購入予定のソフトウェアやシステムなどが海外より年度内に購入ため,次年度への研究費の繰り越しが生じた.
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