研究課題/領域番号 |
23592935
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
笹平 智則 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90405374)
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研究分担者 |
國安 弘基 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00253055)
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キーワード | 口腔癌 / MIA / MIA2 / TANGO |
研究概要 |
昨年に引き続いてMIA gene familyであるMIA2ならびにTANGOの口腔癌における機能解析を実施した。口腔癌細胞株と血管内皮細胞株およびリンパ管内皮細胞と共培養したところTANGOは血管・リンパ管新生を誘導し、その際にいくつかの血管・リンパ管新生が重要な役割を果しており、臨床検体の症例数を増やした検討でもTANGOは口腔癌において腫瘍促進的な働きをすることが明らかとなった。またintegrinがMIA2の受容体の役割を担っている可能性が見いだされた上に、MIA2は口腔癌においてVEGF familyを介した血管・リンパ管新生作用、MAPKないしJNKを介したアポトーシス調節作用を有しており、さらに腫瘍内のリンパ球浸潤を制御する可能性も示唆された。前年度にマイクロアレイによりピックアップされたMIA gene family関連シグナルとなり得る可能性のある複数の候補についても検討したところ、いくつかは実際にMIA gene familyによって活性化ないしは抑制されており、臨床検体を用いたタンパク・遺伝子発現解析においても口腔癌の進展に密接に関与する可能性があることが強く示唆された。MIA gene familyならびにMIA gene family関連シグナルをターゲットとした分子標的診断・治療の有用性が期待される。症例数を増やすと同時にin vitroおよびin vivoの系でさらなる詳細な機能解析を引き続き実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度にマイクロアレイにより得られたMIA gene family関連シグナルについての解析を行うと同時に、口腔癌におけるMIA2ならびにTANGOのさらなる詳細な機能を明らかにすることが出来ているので、比較的順調に進捗しているものと考える。
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今後の研究の推進方策 |
マイクロアレイによりピックアップされたMIA gene faamily関連シグナルに関して、口腔癌における詳細な発現解析および機能解析を引き続き行う予定である。またMIA gene family関連シグナルの発現調節機構について、メチル化解析やマイクロRNA解析等を行いと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
検体数ならびに細胞株を増やして引き続き詳細な検討を重ねる予定である。また口腔癌以外の腫瘍におけるMIA gene family関連シグナルの役割も明らかにしたいと考えている。
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