研究概要 |
患者を含めて核家族を構成できる27家系98人のサンプルにたいし、DNA抽出およびHLAタイピングを行い、HLA-A, -B, -Cw, -DRB1領域において塩基配列レベルでアリルを特定した。解析は、患者を含む家系内全員のHLA-A, -B, -Cw, -DRB1 遺伝子のアリルにたいし、3種類以上のmultiallelic lociに対応した連鎖不平衡試験(Transmission Disequilibrium Test, Stata ver.12.1)を実施し、 Bonferroni法により有意水準調整を行い、corrected P値: Pc-val.を算出しPc<0.05を有意な連鎖不平衡ありとした。また、HLA各遺伝子全体については有意水準調整の必要がないため、P<0.05以下を有意とした。なお、期待値3.0未満のアリルはグループ化し(Others)解析した。 (結果) HLA-AおよびHLA-Bにおいては有意差の認められるアリルは存在しなかった。HLA-Cw*0303は、連鎖不平衡が認められた<P=0.03> 。HLA-DRB1*0803は、単独では連鎖不平衡は認められなかった 。HLA-CwおよびDRB1遺伝子座全体としては連鎖不平衡が認められた<P=0.01, P=0.03> 。 (結論) HLA-Cw*0303が家系内の患者間で連鎖不平衡を有し、RAS発症において遺伝的関与が示唆された。
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