研究課題/領域番号 |
23592942
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
山崎 安晴 北里大学, 医学部, 講師 (00210401)
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研究分担者 |
池本 繁弘 北里大学, 医学部, 助教 (90296492)
馬場 香子 北里大学, 医学部, 助教 (90327411)
青柳 和也 北里大学, 医学部, 助教 (10337959)
石黒 匡史 北里大学, 付置研究所, 研究員 (40265640)
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キーワード | 未分化間葉系細胞 / 凍結保存 / 再生医工学 |
研究概要 |
前年度は、口唇裂・口蓋裂形成手術に得られた上顎骨からの間葉系細胞の分離・増殖し、その間葉系細胞の骨形成能を確認した。しかし検体数が少ないため、成人上顎骨由来の間葉性細胞で基礎研究をおこなった。【平成24年度目的】1. 無血清培地(STK)による上顎骨由来間葉系細胞の分離・増殖・保存の確立。2.上顎骨由来間葉系細胞を無血清培地(STK)とFBS添加培地で培養し、両者の骨形成能についての比較検討。【評価法】1.骨組織由来間葉系細胞の分化能の評価:(1)Alkaline Phosphatase(ALP)①ALP stain,②ALP Activity Assay, (2)Calcium(Ca)①Alizarin Red S stain,②Calcium Assay; Calcium Assay 2.骨芽細胞マーカーの発現評価 3.組織学的評価:①HE染色,②免疫染色,③骨面積(%Area)の比較 【結果・考察】上顎骨より得られた間葉系細胞は骨芽細胞の供給源となること、この細胞を利用した代替骨が作製可能であること、また培養では無血清培地の使用が可能であることが示された。しかし、STKとFBS添加培地で培養した細胞を比較すると、in vitroではSTKのほうがCa産生量はより少なく、in vivo でもSTKのほうが骨組織形成面積(%Area)はより低値であった。原因として、STKの培養では細胞の増殖速度が遅いこと、STKでは骨芽細胞への分化速度がより遅いと推測された。しかしFBS添加培地にともなう感染リスクや、自己血清培地にともなう患者の負担軽減を考慮すると、今後さらに改良された無血清培地の開発が望まれる。【今後の展望】長期凍結保存の臨床応用の観点から当科に10年以上保存されている間葉系幹細胞の生物学的活性とその安全性を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
口唇裂・口蓋裂の患児(3例のみ)からの骨組織検体が少かった。そこで対象となる上顎骨が再生医療の代替人工骨としての適否を成人上顎骨に置き換えて行ったことにより、十分な基礎研究が遂行できている。また同時に10年以上長期凍結保存間葉系細胞からも生物学的活性が確認され、研究目的は達成できると考える。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は成人上顎骨で基礎研究を完了させる。
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次年度の研究費の使用計画 |
口唇裂・口蓋裂の患児(3例のみ)からの骨組織検体は少ないため、基礎研究は成人上顎骨を主体に行う。
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