研究課題/領域番号 |
23592952
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
中原 寛和 近畿大学, 医学部附属病院, 准教授 (70324796)
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研究分担者 |
古郷 幹彦 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (20205371)
佐伯 万騎男 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (30273692)
松岡 裕大 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 招聘教員 (50448148)
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キーワード | 癌の浸潤転移 / クロマチンリモデリング / 上皮間葉移行 |
研究概要 |
原発巣で増殖した癌細胞は多数の複雑なプロセスを経て遠隔転移を成立させているが、なかでも癌細胞が細胞外基質を分解し、組織間を移動する過程は、癌細胞の浸潤・転移に最も重要な過程と考えられる。癌細胞による細胞外基質を分解し、細胞が移動する過程を分子レベルで解析し、この過程を特異的に抑制することができれば癌細胞の浸潤・転移を防ぐことが可能となる。われわれは癌細胞による細胞外基質分解を in vitro で観察することが可能なフィブロネクチン分解・浸潤モデルを用い、転移抑制を目標に分子標的治療のターゲット分子の検討を行ってきた。 近年、いくつかのクロマチンリモデリング因子が同定され、ATP 依存的にヌクレオソームを除去し、クロマチン構造を変化させ、GTP のプロモータへの結合を助ける本来の役割のみならず、細胞増殖、遺伝子発現、など種々の細胞イベントに関与していることが解ってきた。本研究ではクロマチンリモデリングコンプレックスの一つである、reptin 遺伝子に焦点を当て、reptin がヒト口腔扁平上皮癌の浸潤・転移をいかに制御しているのかを検討した。Reptin遺伝子をknockdownすることで、OSC-19細胞、OSC-20細胞ともに浸潤能、遊走能の有意な亢進が認められた。そのメカニズムとして考えられる、蛋白分解酵素の発現については、Gelatin zymography にて MMP-2、MMP-9 の発現および活性が、reptinのknockdown群とcontrol 群、wild type群とで差は見られないことより、reptin は細胞外基質の分解活性に直接的に関与していないことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度で研究分担者の変更があり、研究の進行が大幅に遅れたが、新たな研究組織を構築し、研究を開始し、結果がではじめたところである。この研究組織で今後研究を継続していきたい。
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今後の研究の推進方策 |
研究遂行にあたり、研究組織の充実を図りたい。可能であれば、人員の増員をはかりたいが現時点では未定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
一部データの解析のため、備品購入を予定している。
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