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2013 年度 実績報告書

口腔癌のセツキシマブ感受性とKRAS、BRAF、PIK3CA変異の解析

研究課題

研究課題/領域番号 23592954
研究機関東北大学

研究代表者

篠原 文明  東北大学, 歯学研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (80400258)

研究分担者 宮下 仁  東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (70372323)
キーワード口腔癌 / 上皮成長因子 / 分子標的薬 / インターフェロンガンマ
研究概要

従来のDNA、RNAを標的とする抗癌剤と異なり、EGFRなどの細胞の増殖シグナルを標的とした新しい分子標的薬の有効性が報告されている。口腔癌の治療にこのような薬剤を含めた化学療法と放射線、手術療法が併用されているが、有効な治療法が確立されていない。その理由の一つに癌細胞による腫瘍免疫回避メカニズムが挙げられる。NK細胞から分泌されるIFNGはそれ自身が抗腫瘍活性を示し、細胞傷害性T細胞の活性化など抗腫瘍免疫においても重要である。これが腫瘍細胞内の特定の酵素によって分解される機構を検討した。平成25年度は以下の内容に取り組み成果をあげた。口腔癌細胞株および肺癌細胞株(HSC-2、HSC-3、HSC-4、SAS、A549)を用い、IFNG分解責任酵素の解析を行なった。各培養細胞にIFNG、IFNG分解酵素(TACE)の低分子阻害剤(TAPI2)および中和抗体(a-TACE Ab)を加え、IFNG濃度変化やマイクロアレイによるmRNA発現比較を行なった。【結果】腫瘍細胞の培養系においてIFNGの濃度減少が見られた。各細胞のTACEのmRNA発現には差がみられ、IFNG濃度が低下した細胞株ではTACEの発現が高かった。TAPI2およびのa-TACE Abの添加によりIFNGの濃度上昇に各細胞間の差を認めた。mRNA発現比較ではIFNG分解にTACE以外の他の酵素が関わっている可能性、また、EGFR下流のKRAS遺伝子の関与が示唆された。【研究の成果】口腔癌の免疫回避メカニズムに、腫瘍細胞自身が産生する酵素で、IFNG活性阻害により腫瘍免疫の減弱される可能性が認められた。またその酵素は腫瘍細胞それぞれで感受性が異なり、その発現量と予後不良度が相関しているという報告もある。このことから本研究のIFNG分解責任酵素の同定と解析は、腫瘍免疫回避を阻止する新規の抗腫瘍療法の開発に期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] The Keap1/Nrf2 axis plays a role in osteoclast differentiation by regulating intracellular ROS signaling.2013

    • 著者名/発表者名
      H Kanzaki, F Shinohara, M Kajiya, T kodama
    • 雑誌名

      J Bio Chem

      巻: 32 ページ: 23009-23020

    • DOI

      10.1074/jbc.M113.478545

    • 査読あり
  • [学会発表] Nrf2を介した抗酸化ストレス酵素群発現は破骨細胞分化を負に制御する2014

    • 著者名/発表者名
      菅崎弘幸、篠原文明、加治屋幹人、小玉哲也
    • 学会等名
      第35回東北骨代謝・骨粗鬆症研究会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2014-02-01
  • [学会発表] DNAメチル化酵素阻害剤による癌血管新生の抑制2013

    • 著者名/発表者名
      遠藤学、篠原文明、高橋哲、長谷川博
    • 学会等名
      第58回 日本口腔外科学会 総会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20131011-20131013

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公開日: 2015-05-28  

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