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2011 年度 実施状況報告書

口腔扁平上皮癌の低酸素環境におけるEMTの解明と治療標的としての意義

研究課題

研究課題/領域番号 23592968
研究機関鹿児島大学

研究代表者

石田 喬之  鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (20404501)

研究分担者 宮脇 昭彦  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40200216)
比地岡 浩志  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70305150)
池田 龍二  鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 薬剤師 (50398278)
中村 典史  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60217875)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード口腔癌 / 低酸素 / EMT / Notch
研究概要

口腔癌において低酸素環境がNotchシグナル経路を介してEMTを誘導し、浸潤能や転移能を更新させるとの仮説をもとに平成24年度はin vitroの研究を行う計画を立てた。 口腔癌細胞株HSC-2、HSC-4、Ca9-22、KONを通常培養条件(21%O2)、低酸素培養条件(1%O2)で培養し、上皮系markerであるE-cadherinの発現を免疫染色法にて調べた。すべての細胞株で低酸素培養条件でE-cadherinの発現が低下した。またNotch阻害薬であるGSIを添加するとHSC-2、HSC-4、Ca9-22でE-cadhrinの発現低下が阻害された。次に走化能を調べるためwound healing assayを行った。すべての口腔癌細胞株で低酸素条件で走化能が亢進した。またGSIの添加でKON以外の3株で走化能の亢進が阻害された。 次にNotchシグナル因子のNotch receptor, ligand, target geneのmRNA発現量をreal time RT-PCR法にて定量的に調べた。KON以外の細胞株でNotchシグナル因子の発現増加を認めた。KONはreceptor, ligandのmRNA発現増加を認めなかったがtarget geneの増加を認めた。 以上より口腔癌細胞株は低酸素環境でNotch経路を介してEMTを引き起こすことを明らかにした。しかしKONは低酸素環境でEMTが誘導されNotch target geneの増加は認められるもののreceptor, ligandのmRNAの増加を認めないこと、GSIの影響を受けないことから仮説以外の経路でEMTを引き起こす可能性があることが示唆された。 以上の結果を第56回(社)日本口腔外科学会総会で報告し優秀ポスター発表賞を受賞した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成23年度はin vitroの実験を行う計画を立てていたがほぼ計画通りの実験を行うことができ、申請者が立てた仮説通りの結果を得ることができたため順調であったと判断している。

今後の研究の推進方策

今後も計画書通りに研究を進めていく方針である。具体的にはヌードマウスを用いたin vivoの実験を行う。それと並行して当科で生検もしくは切除術を行い、研究に同意を得られた口腔癌患者の検体を用いてNotchシグナルの免疫染色を行い、予後、リンパ節転移の有無、組織学的悪性度、浸潤様式、放射線化学療法耐性などの予後予測因子との相関関係を調べていく予定である。

次年度の研究費の使用計画

概ね実験計画通りに使用する予定である。今年度は実験試薬や消耗品を中心に使用する。また論文を投稿予定なので、校正・投稿費にも使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 低酸素環境下での口腔扁平上皮癌細胞の上皮間葉移行におけるNotchシグナルの意義2011

    • 著者名/発表者名
      石田喬之、比地岡浩志、宮脇昭彦、岐部俊郎、久米健一、中村典史
    • 学会等名
      第56回(社)日本口腔外科学会総会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2011年10月21~23

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公開日: 2013-07-10  

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