研究課題/領域番号 |
23592973
|
研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
山下 善弘 福岡歯科大学, 歯学部, 准教授 (30254634)
|
キーワード | 血管柄付骨組織 / 人工骨 / 骨再生 |
研究概要 |
現在の顎顔面領域の組織欠損における再建方法の主流になっている.軟組織欠損においては前腕皮弁,腹直筋皮弁,広背筋皮弁,前外側大腿皮弁などが主に用いられ,また,顎骨再建においては血管柄付腸骨,血管柄付肩甲骨,腓骨などが用いられ,その有用性が報告されている.しかしながら,その採取部位での犠牲は大きく,また多くの合併症も見受けられる.本研究は既存の血管を利用し,様々な人工細胞外マトリックスと細胞を組み合わせて人工的に栄養血管を有する組織を再生することを目的とする。私はこれまでに顎骨再建などに用いられる血管柄を有した人工的に再生された骨組織に関する検討を行ってきた.それにより骨が形成される足場(コラーゲンや合成高分子材料など),骨芽細胞の増殖と分化を誘導する生理活性物質あるいはその遺伝子を欠損の大きさによって単独または併用して局所に組み込み,生体本来の組織修復能を活用して,骨再生を図ることが犬を用いた実験系にて可能であり,生体吸収性のセラミックβ-TCPを細胞の足場としてビーグル犬の広背筋部に移植し,骨形成を観察する必要がある。 本実験では平成23,24年度にて広背動静脈のAV shunt loopを用いてβ-TCPブロックを足場とする血管柄付き再生骨の作成を行うこととしており、本年度はビーグル犬実験を開始するための実験環境の整備および予備実験を行った。 作成したChmberを用いてビーグル犬の広背動静脈のAV shunt loopに大きさを変えて4種類のβ-TCP顆粒を埋入した。骨形成についてmicro CTを用いて骨形成状態を観察した。これにより埋入後6から9カ月にて骨形成と思われる像が認められ、血管柄付骨組織の摘出時期を決定できた。 本年度はビーグル犬を4頭用意し、コントロール群と共に骨形成事件を行う。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予備実験としての犬の生体内での人工骨から骨組織形成までの期間が6から9カ月間を要したため。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度はビーグル犬4頭8側の広背動静脈のAV shunt loopを用いてβ-TCPブロックを足場とする血管柄付き再生骨の作成の継続実験を行う。実験材料としては成犬ビーグル犬,オス4頭を実験に供する.(動物の飼育および手術は福岡歯科大学動物実験委員会にて承認済みである)また、β-TCPを埋入させるchamber(研究代表者平成23年度作成)を用意する。 実験方法としては実験動物を血管柄付き再生骨を作成し,前年度の予備実験での骨形成期間が6-9カ月であったためその期間を参考にし、micro CTにて骨形成状態を確認し、血管柄付骨租組織を摘出する。 本年度はビーグル犬4頭8側のうち2側にはchamber内にβ-TCPのみを埋入した群をコントロール群に設定する。また、残りの6側にはβ-TCPをビーグル犬の血液20ccより作成したPRPおよびGCFと混和させてchanmer内入れ、埋入する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
ビーグル犬4頭の購入し、約1年間の飼育費用が次年度の研究費使用の多くを占める。それに合わせて関連学会への参加および実験消耗品の購入を行う。
|