研究概要 |
現在までわれわれは骨再生および人工コラーゲンスを用いてラットなどの小動物の背部の筋膜下に骨誘導物質や骨前駆細胞を埋入し,非常に少量の人工骨を再生することに成功している. 本研究は大型動物における既存の血管を利用し,人工細胞外マトリックスや生体吸収性のセラミックβ-TCPブロックを組み合わせて人工的に栄養血管を有する骨組織を再生し,人工的に作成した硬組織皮弁(Prefabrication engineered flap)の作成し,さらに同一の大型動物の生体内の他部位での生着を確認し,今後の臨床応用の可能性について検討することである. これまでの本実験では平成23,24年度にビーグル犬実験を開始するための実験環 境の整備および予備実験を行い, 骨形成状態を観察した。これにより埋入後6から9カ月にて骨形成と思われる像が認められ、血管柄付骨組織の摘出時期を決定した。 平成25年度の実験ではビーグル犬を4頭用意し、コントロール群と共に骨形成事件を行った.実験方法としてはビーグル犬両側の広背筋下にて肩甲下動静脈を約10cm剖出し,動静脈先端部にてshuntの形成を行う.6gのβ-TCPを埋入させたchamber内に血管孔を通してshuntの形成された胸背動静脈を埋入した.同ビーグル犬より採血した血液を用いて遠心分離を行いPlate rich plazma(PRP)を作成し,5頭においてβ-TCPを埋入させたchamber内に投与し骨形成能を向上させた.広背筋下の Chamberの固定ではchanberのwing部を利用し縫合固定した.現在,chanber埋入後6-7カ月経過しており,micro CT等を用いてChanber内の骨形成状態を確認中である.
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