研究課題/領域番号 |
23592976
|
研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
近藤 信夫 朝日大学, 歯学部, 教授 (40202072)
|
研究分担者 |
北川 善政 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (00224957)
山崎 裕 北海道大学, 大学病院, 講師 (90250464)
藤内 祝 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50172127)
光藤 健司 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (70303641)
式守 道夫 朝日大学, 歯学部, 教授 (70154193)
高山 英次 朝日大学, 歯学部, 講師 (70533446)
村松 泰徳 朝日大学, 歯学部, 教授 (30247556)
本橋 征之 朝日大学, 歯学部, 助教 (80396390)
出雲 俊之 埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), その他部局等, 研究員 (80322709)
川木 晴美 朝日大学, 歯学部, 助教 (70513670)
神谷 真子 朝日大学, 歯学部, 助教 (80181907)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 口腔扁平上皮癌 / Tリンパ球 / CD57 / CD4+T-NK細胞 |
研究概要 |
口腔癌患者より血液サンプルを採取し、異なる蛍光色素でラベルした抗CD57、αβTCR, 、CD8、CD4それぞれの抗体にて4色染色し、単核球分画をフローサイトメーター法(FACS)により調べた。その結果、1)健常者に比べ患者末梢血中のCD4+, CD57+, αβTCR+(CD4+T-NK)細胞と、古典的CD8+(CD57陰性)killer T細胞は健常者のそれに比べ優位に増加していた。2)CD4+T-NK細胞は、早期症例においてよりも、進行症例で顕著に増加していた。一方、古典的CD8+T細胞は、非転移症例よりも転移症例群で顕著に増加していた。以上の結果から、口腔癌患者において、CD57陽性、陰性細胞亜集団の動向が口腔扁平上皮癌の発症や進展の指標となることが示された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度の研究実績により、医癌や肝臓癌患者と同様に口腔扁平上皮癌患者においてもTリンパ球亜集団がその発症や悪性度の進展に伴って変化していることを突き止めた。今後その診断的な意義を確立してゆくためにさらには、少なくとも数100症例を越える多数症例における検討を重ね、有意差を示す必要がある。また、癌組織の形質と患者の全身状態および予後との相関は十分に観察されていないので、特に組織における癌関連遺伝子発現と血液細胞の変化との相関も今後の検討課題である。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、Tリンパ球亜集団の口腔扁平上皮癌における診断的意義は、平成23年度の研究により明らかにすることが出来たので今後は、臨床診断に用いる場合の精度についての検討を更に多数症例において検討を行なう。それと並行して患者血清分画を抽出し、ELISA法によりIL-18、IL-10、TNF-αの濃度を測定し、坦癌患者の病態像との比較を検討する。また、転移、非転移症例等、悪性度の異なる患者の癌組織の間で発現に有意差を示すマーカー遺伝子をcDNAアレイ等によるスクリーニングで抽出し、発現パターンを臨床像や血液細胞等の動向と比較して診断への有用性を検討する。さらに、坦癌状態に置ける血液細胞の変化が、どのような機構によって引き起こされるのか検討するための動物モデルの構築が必要と考えている。その目的で口腔癌を移植したマウスのTリンパ球等を採取し、ヒト抗原に相当する表面抗原の動向を観察する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の直接経費1,200,000円のうち、凡そ300,000円をFACS用抗体、血清診断キット等の購入、300,000円をRNA抽出キット、定量的PCRキット、オリゴプライマー等の購入、300,000円を牛胎児血清を含む細胞培養試薬の購入に充て、その他一般試薬に200,000円、100,000円を学会、研究打ち合わせの旅費、その他の費用として使用する見込みである。d.
|