研究課題
口腔癌外科治療後の咀嚼機能評価を行った。対象は口腔癌63例(舌癌15例、下顎歯肉癌17例、上顎歯肉癌31例)で、方法は色変わりチューインガムを用いた。咀嚼機能障害は、再建なしの舌部分切除群では軽度であったが、再建を伴う舌口底半側切除、亜全摘群の切除群においては有意に不良であり、舌による食塊運搬能低下が原因と考えられた。下顎辺縁切除、下顎区域切除例の咀嚼機能に有意差はなく、下顎区域切除においても下顎再建を行えば、良好な咀嚼機能が得られると考えられた。上顎切除後の咀嚼機能は残存歯の咬合支持域がないものでは顎義歯によるリハビリテーションを行っても不良であった。さらに口腔腫瘍術後患者に対してグミゼリーとガムを使った咀嚼能力検査を用い,切除様式と咀嚼機能の関係について報告した。連続性がある下顎もしくは舌欠損を有する顎補綴治療を行った口腔腫瘍術後患者48人に,咀嚼検査用グミゼリー(GC)とガム(LOTTE)を使った客観的評価と,平井らの食品アンケート調査(咀嚼スコア)および満足度(VAS)で主観的に評価した.グミゼリー(グルコース濃度),ガム(a*),咀嚼スコア,VASの平均値は,下顎辺縁切除患者(N=14)で234.0 mg/dl,26.6,87.6点,92.1,区域切除(N=13)で207.2,23.1,77.0,82.7,舌部分切除(N=6)で227.7,22.2,87.5,77.4,舌半側切除以上(N=7)で141.0,8.7,60.6,50.7,下顎骨切除を伴う舌半側切除以上(N=8)で127.4,4.9,57.1,63.8だった.舌半側切除以上でグミゼリー,ガムとも有意に低い値を示した.咀嚼スコアとVASにおいては一部有意差があった.以上より、グミゼリーとガムという食品を用いた検査は全ての顎欠損患者に無理なく行うことができ,咀嚼機能に関連する値が客観的・主観的に示された.
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Journal of Oral and Maxillofacial Surgery, Medicine, and Pathology
巻: in press ページ: in press
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