研究課題/領域番号 |
23592985
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
星名 秀行 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30173587)
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研究分担者 |
永田 昌毅 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (10242439)
川瀬 知之 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90191999)
奥田 一博 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00169228)
魚島 勝美 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50213400)
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キーワード | インプラント / 無血清培養 / 骨膜 / 培養自家細胞移植 / 骨再生 / 再生医療 |
研究概要 |
【培養自家骨膜併用による歯槽骨造成の臨床試験】 平成24年度中、臨床試験では8名に歯槽骨上および上顎洞底に自家骨30-50%の割合で培養骨膜とPRPを混合した移植材を移植した。移植材の移植床骨上への生着は全般に良好であった。現在までに移植後の骨造成の状態を臨床的、画像所見および組織生検で確認しえた症例において、全例でインプラント埋入を行うに十分な骨再生がみられている。細胞移植に明らかに関連したと考えられる異常経過、有害事象は観察されなかった。 【無血清培地を用いた新たな培養プロトコールによる安全性と培養操作の簡素化と低侵襲化】 ボランティアから提供を受けた顎骨骨膜を用いて、無血清培地(STKシリーズ培地)を用いた条件検討を開始した。これまでにヒト血清を0.5%まで減量して、おおよそ4週間の培養期間で直径3cmの培養骨膜シートが安定して得られている。コントロールの従来培養法に比べて、無血清培地培養法(STK1+STK3併用)では、アルカリフォスファターゼ染色で培養骨膜シートの広範囲で酵素活性を示し、アリザリンレッド染色でも広範囲に染色が観察された。これは、骨膜を増殖し、かつ分化を誘導して、骨形成能の優れた細胞を比較して短期間で製造できる低侵襲な方法を確立できる可能性が示された。マウス皮下への培養骨膜移植実験では、無血清培地培養法(STK1+STK3併用)では骨形成の活性が従来法に比べて高いことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の研究目標としての臨床試験はおおむね10名を対象に行われており、その臨床的な経過について、順調に経過観察を行っている。この内容については国際誌における出版を完了した。 培養条件の無血清化にかかわる基礎実験については、昨年度に引き続き順調なデータの集積が行われて、良好な骨分化傾向を示し、かつ短期間の培養で発育の良好な培養条件として、国際誌への出版の準備を進めている。臨床試験の結果ならびに基礎研究の結果について2012年6月(2題)および2013年3月(1題)の日本再生医療学会ならびに2012年9月の日本口腔インプラント学会においてその成果を発表した。
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今後の研究の推進方策 |
実施計画に掲げたことの内容通りに進行する予定である。 ①臨床試験は継続して行う。培養条件や観察は従来通りの方法を継続し、正確な臨床情報を記録する。 ②学術誌にこれまでの研究成果を投稿する。 ②製造された細胞のゲノム異常について受託解析によって分析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
実施計画に掲げたことの内容通りに進行する予定である。 ①臨床試験は継続して行う。培養条件や観察は従来通りの方法を継続し、正確な臨床情報を記録する。これにかかわる消耗品を支出する。 ②作製された細胞のゲノム異常について受託解析にかかる費用を支出する。 ③学会において関連する情報を収集する。 ④学術誌にこれまでの研究成果を投稿する。英文校正および出版経費を支出する。
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