全脳虚血病態の転帰改善を得るために、歯髄に存在するside population細胞から形成されるneurosphereを用いた。想定される転帰改善の機序について脳内サイトカイン反応とBDNF発現を想定し検討した。ラット重症前脳虚血モデルの再灌流3時間後に歯髄細胞、あるいはneurosphere由来細胞を経静脈的に投与したところ組織学的転帰の改善がneurosphere群で認められた。しかし、脳内サイトカインとBDNFのmRNAの発現量に群間差は認められなかった。Neurosphere投与による全脳虚血病態の転帰改善はサイトカインやBDNFによらないことが推測された。
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