研究課題
骨芽細胞、破骨細胞、軟骨細胞などの骨代謝に関与する細胞の分化・増殖は多くの遺伝子によって厳格に制御されている。さらに、細胞における遺伝子の発現は、様々な段階(転写、転写後調整、翻訳、翻訳後調整など)で、様々なタンパクによって調節されていることが報告されている。細胞核内のゲノムDNAからmRNAへの転写制御機構は、軟骨細胞などを含む様々な細胞で、数多く報告されてきた。さらに、最終的な遺伝子発現は、転写以降の段階でも巧妙に制御されている。すなわち、核内あるいは細胞質におけるmRNAの輸送、安定性調節などの転写後制御および、リボゾーム(ポリゾーム)におけるタンパク-核酸複合体結合制御や翻訳制御などである。しかし、骨芽細胞や軟骨細胞などの硬組織系細胞では、この制御機構がほとんど明らかにされていない。そこで、本研究では、アフィニティクロマトグラフィー法によるNPM結合RNAの精製、およびcDNAマイクロアレイの実施準備を行った。すなわち、CMVプロモーター下流に、マウスNPMのcDNAの5’末端(アミノ酸配列のC末端)にHA抗原タグを付与したキメラタンパク質をコードする哺乳類発現ベクターを作成し、これをマウス軟骨細胞株ATDC5細胞にトランスフェクションをおこなった。48時間後に、タグ付き強制発現NPM-RNA複合体を化学的に架橋固定し、抗HA抗体で免疫沈降させる。これをプロテインGカラムに通し、塩濃度勾配法にて抗体特異的NPM-RNA複合体を溶出させる。過熱還元反応によりRNA-NPM間の架橋結合を破壊、ただちにRNAを精製し、この精製されたRNAを鋳型として、cDNAに逆転写し、DNAマイクロアレイ(GeneChip、アフィメトリクス社)にて遺伝子発現をした。
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