昨年度までに組織学的解析を行った下顎頭に対して、継続してマイクロCT撮影を行って下顎頭のOA変化を観察した。各試料の連続断層像を基に、画像解析ソフト(TRI-BON:ラトックシステムエンジニアリング)を用いて立体構築を行った。 発症率は低かったが、膝OAを発症した個体において組織学的に顎関節OA所見を認めた患側の顎関節部にCT上でも骨破壊像を呈していたことから、画像所見上でもヒト顎関節OAに類似した病態を呈していることが明らかとなった。 膝OAと同時に顎関節OAを発症していることから、本マウスでは軟骨変性に関わる遺伝子発現が存在する可能性があると考えられる。膝OAでの軟骨変性発現機序は不明な点が多いため、本マウスの顎関節OAの初期変化ならびに発現・病態進行に関わるマーカーの探索を進めた。本モデルマウスにおける病態解明からヒト顎関節OAの発症メカニズムとの相同性について検証を今後も行っていく予定である。
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