研究課題/領域番号 |
23593006
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
笠井 唯克 朝日大学, 歯学部, 准教授 (30319123)
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研究分担者 |
土井 豊 朝日大学, 歯学部, 教授 (40116067)
式守 道夫 朝日大学, 歯学部, 教授 (70154193)
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キーワード | 生体材料 / 再生医療 / 細胞・組織 / 炭酸含有アパタイト |
研究概要 |
本課題の初年度である平成23 年度は「実験1 高気孔率多孔体骨補填材の作成」を、Step 1「炭酸含有アパタイトの合成」、Step 2「炭酸含有アパタイト高気孔率多孔体の作成」の順に行った。Step 1では、焼結材料としての炭酸含有アパタイトを湿式合成する予定であったが、非焼結の手法で多孔体を作製すべく、新たに炭酸含有アパタイトの前駆物質である第二リン酸カルシウム二水塩に着目してその炭酸含有アパタイトへの相移行について検討し、焼結操作に伴う吸収性の低下を招くことなく、組織内吸収性を高める試みを行った。Step 2では、当初、炭酸含有アパタイトを高分子ポリマーと撹拌・焼結して高気孔率多孔体を作成する予定であったが、作成困難であることが予想されたため、新たな手法を模索した。そして、第二リン酸カルシウム二水塩の粉末とsucrose顆粒を混合し、加圧して圧粉体とし、60℃の1M炭酸水素ナトリウム溶液に24時間浸漬し、糖の溶出と前駆物質の炭酸含有アパタイトへの転移を行い、炭酸含有アパタイト多孔体を試作することに成功した。なお、作成試料の性状を検索するのに必要な画像解析ソフトWinROOF(三谷商事)と同ソフトを起動させるWindows PCを購入し、画像解析を行える態勢を整えた。 本課題の2年目である平成24年度はStep 2「炭酸含有アパタイト高気孔率多孔体の作成」の試作に続き、非焼結炭酸含有アパタイト多孔体を量産する予定であったが、試料の強度が十分でないことが判明したため、試作をくり返し行った。また、試作した多孔体のブロックをマイクロCTにかけて内部の構造と立体構造を調べた。その結果、連続性の気孔が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「研究実績の概要」に記載した通り、計画調書のスケジュールに従って研究を遂行しているが、実験2「in vitroにおける骨補填材・骨髄培養細胞ハイブリッド体の作製」が遂行できていない。
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今後の研究の推進方策 |
計画調書のスケジュールに従って、研究を進めていく。具体的には、本年度内に行えなかった実験2「in vitro における骨補填材・骨髄培養細胞ハイブリッド体の作成」を行い、その性状を詳細に検討し、実験3「in vivoにおける骨補填材・骨髄培養細胞ハイブリッド体の骨形成能の検索」を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度内に試作に成功した非焼結炭酸含有アパタイト多孔体を量産するために原材料を購入する。動物実験を行うためにラットを購入する。組織培養実験の試薬や検査試薬を購入する。 なお、本研究に関する情報の収集や発表のために学会活動を行う。
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