研究課題/領域番号 |
23593017
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
須佐美 隆史 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80179184)
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研究分担者 |
大久保 和美 東京大学, 学内共同利用施設等, 講師 (10396715)
長濱 浩平 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60401361)
内野 夏子 東京大学, 医学部附属病院, その他 (30569637)
高橋 直子 東京大学, 医学部附属病院, その他 (10569635)
杉山 円 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90451814)
岡安 麻里 東京大学, 医学部附属病院, その他 (10610941)
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キーワード | 先天異常 / 平均側面頭部X線規格写真トレース像 |
研究概要 |
平成25年度は前年度に引き続いて「IV.疾患別の顎顔面形態の解析」に関して研究を進めた。開発したソフトウェアを用いて、先天異常患者における疾患別平均側面頭部X線規格写真トレース像の作成をおこない、学会発表をおこなった。 先天異常患者は疾患特有の顎顔面形態がみられるため、各疾患の顎顔面形態の特徴をイメージとしてとらえることが重要である。先天異常患者の側面頭部X線規格写真(セファロ)のトレースを用いて、疾患別の平均側面トレース像を作成した。Apert症候群3名、Treacher Collins 症候群4名、片側性唇顎口蓋裂5名、両側性唇顎口蓋裂5名の計17名を対象とした。各症例のセファロをトレースし、一般的な28の計測点および127の描画補助点、計155点をトレース上に同定した。トレースはbitmap imageとしてスキャンした後、ソフトウェアImage Rugle®(メディックエンジニアリング社)を用いセラを原点、フランクフルト平面をX軸としたXY座標を設定し、計測点、補助点をコンピュータ画面上で入力した。入力点は疾患ごとに座標値を平均化し、軟組織2本、中顔面4本、上顎3本、下顎4本、計13本のスプライン曲線を用いて平均側面トレース像を作成した。コンピュータ描画像と原トレースとの描画誤差評価には、各疾患1名、計4名の原トレース像およびコンピュータ描画像を重ね合わせ、各計測点の中央部での画像のずれを計測した。原トレースとスプライン曲線の描画誤差は、0mm~1.0mm、平均0.2mmであった。描画誤差が1.0mm以下であったことから、先天異常患者の顎顔面形態を十分とらえた平均トレース像をコンピュータにより作成することが可能と考えられた。また、本法により作成した先天異常患者の平均側面トレース像は、各疾患の特徴や成長による変化、各種治療の平均的治療結果の把握に有用と思われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請した研究実施計画である「I~III」の課題については具体的な描出・計測方法が確立し、既に一部の成果を公開している。さらに本年度は、IV.疾患別の顎顔面形態の解析をおこない、ソフトウェアの開発を進めた。現在までに開発しているソフトウエアは不十分な点がみられたため、ソフトウエアの開発を修正を進めることとし、バージョンアップを行っていく。また、論文執筆を進める予定である。本研究の目的は概ね達成されたと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
既に開発した研究用ソフトウエアの段階的バージョンアップ、必要に応じ新規ソフトウエアの開発、学術集会における研究成果の発表、研究成果をまとめた論文の作成をすすめる。
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次年度の研究費の使用計画 |
現在、論文執筆中であり、今後、論文校正、論文投稿のための費用が必要である。また、作成したソフトウェアについては、特許出願の可能性があるため、論文投稿にあたって時間の猶予が必要である。 CTより作成するセファロ画像に関する論文、CTから作成するパノラマX線画像の論文、平均セファロ作成のに関する論文の3報について、現在執筆中である。 それぞれ、執筆後、論文校正に出した後に、投稿予定としている。
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