研究課題/領域番号 |
23593022
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
松本 芳郎 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (20292980)
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研究分担者 |
小野 卓史 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30221857)
金香 佐和 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80372449)
細道 純 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00420258)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 歯根吸収 / 埋伏歯 / バイオインテグレーション |
研究概要 |
生理的な永久歯萌出機構の検討するため、代生歯萌出時における歯導帯周囲の硬組織構造の解析、および歯導帯周囲の細胞や歯小嚢細胞、乳歯歯根膜細胞に発現する因子の解析するため、必要な文献検索ならびに実験モデルの構築を開始した。家兎の実験モデルでは今のところ明確な歯導帯が認められておらず、新たな実験モデル検索と並行して、検索を続けている。また、歯の形成ならびに萌出に伴う上皮間葉相互作用を検討するため、in vitro でのウシ歯小嚢組織と歯根膜細胞または上皮系細胞との象牙片上での共存培養系の開発に着手した。さらに代生歯萌出異常機構を検討するため、in vivo での先行乳歯抜歯実験系、歯導帯破壊実験系、歯胚圧迫実験系の開発を開始した。 関連研究の論文報告としては、新たに設計した矯正歯科用オンプラントのバイオインテグレーション(生物学的骨結合)のための外科的埋入方法の開発について共同執筆し、投稿・修正・校正等を行った。2012年度中に学術雑誌に掲載される予定である。本手技は、埋伏歯の矯正治療にも有用になる可能性がある。また、咬合機能低下ラットで生じる歯槽骨減少に対する交感神経活動の影響に関する論文が掲載され、咬合機能低下の際の歯槽骨減少に対して交感神経活動が影響することを初めて明らかにした。さらに、成長期ラット下顎骨の間歇的後方位が下顎頭海綿骨に及ぼす影響に関する論文が掲載され、成長期下顎骨の間歇的後方位により下顎頭内部の海綿骨にも形態変化が生じること明らかにした。ラットの片側臼歯抜歯とエストロゲン欠乏によって引き起こされる歯槽骨の微細構造の変化に関する論文が掲載され、閉経後の咬合機能低下が歯槽骨微細構造に変化を起こす可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
概ね順調に開始したが、海外での成果発表が行えなかった。また、想定外の結果や研究協力者の辞退が生じたため、若干の遅延が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度に使用する助成金は、関連研究の国内発表を行ったが旅費の請求手続きをできなかったこと、海外発表を行えなかったこと、想定外の状況による研究活動遅延のためなどで生じた。今後は、当該研究費と次年度以降請求する研究費により、次の検討を行う方策である。生理的な永久歯萌出機構の検討するため、代生歯萌出時における歯導帯周囲の硬組織構造の解析、および歯導帯周囲の細胞や歯小嚢細胞、乳歯歯根膜細胞に発現する因子の解析するため、必要な文献検索ならびに実験モデルの構築を継続し、in situ hybridization 法もしく免疫組織化学的手法等により調節因子の局在も検討する。また、歯の形成ならびに萌出に伴う上皮間葉相互作用を検討するため、in vitro でのウシ歯小嚢組織と歯根膜細胞または上皮系細胞との象牙片上での共存培養系の開発し、硬組織吸収活性、各種因子の発現や分布を検討する。さらに代生歯萌出異常機構を検討するため、in vivo での先行乳歯抜歯実験系、歯導帯破壊実験系、歯胚圧迫実験系の開発し、代生歯萌出異常発現機構に関し、硬組織構造を形態学的に、周囲細胞に発現する因子を網羅的に解析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
1.生理的な永久歯萌出機構の検討(松本、小野担当):各種消耗品、実験動物・試薬・器具等を用い、代生歯萌出時における歯導帯周囲の細胞や歯小嚢細胞、乳歯歯根膜細胞に発現する因子をマイクロアレイ法等による網羅的解析を継続し、in situ hybridization 法もしく免疫組織化学的手法等により調節因子の局在を検討する。2.共存培養実験系での検討(松本、細道担当):各種消耗品、実験動物・試薬・器具等を用い、in vitro でのウシ歯小嚢組織と歯根膜細胞または上皮系細胞との象牙片上での共存培養系において、硬組織吸収活性、各種因子の発現や分布を検討する。3.代生歯萌出異常機構の検討(松本、小野担当):in vivo での先行乳歯抜歯実験系、歯導帯破壊実験系、歯胚圧迫実験系等を用いて、代生歯萌出異常発現機構に関し、硬組織構造を形態学的に、周囲細胞に発現する因子を網羅的に解析する。4.旅費・謝金等を用い、実験系開発に関する学会発表と論文報告を行う。
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