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2013 年度 実績報告書

筋機能MRIを用いた咀嚼筋疲労の分子イメージング

研究課題

研究課題/領域番号 23593032
研究機関九州大学

研究代表者

北原 亨  九州大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (00274473)

研究分担者 高橋 一郎  九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (70241643)
湯浅 賢治  福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (40136510)
飯久保 正弘  東北大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (80302157)
キーワード筋機能MRI / 咀嚼筋疲労 / MRS / T2値
研究概要

骨格筋における「疲労」の分子機構はいまだ明らかでない。一方、運動に代表されるストレスに対する骨格筋の適応に関する研究はここ数年間に技術的に大きく進歩し、ストレスに対する骨格筋細胞の適応現象を分子レベルでとらえ、その分子機構を解き明かそうという試みが活発に行われている。
一般健常者を対象とした被験者には、ウレタンブロックを臼歯部に設置した状態で、30%MVCの噛み締めを5分間持続するという検査プロトコールを採用し、以下の検証を行った。作業仮説1:筋機能MRIによる持続かみしめ前後の、咀嚼筋の横緩和時間(T 2 値)による筋活動の機能評価は、咀嚼筋疲労の指標となりうる。作業仮説2: 31P-MR spectrumによる持続かみしめ前後の、咀嚼筋の高エネルギーリン酸化合物(PCr、ATP、Pi)による筋活動の生化学的評価は、咀嚼筋疲労の指標となりうる。
結果1:クレンチング後、左右側咬筋平均T2値は安静時に比べ有意に増加し、回復期5分後・10分後には有意に減少し、平均T2 値は安静時T2値に収束する傾向が見られた。結果2:30%MVC負荷とともにクレアチンリン酸は減少し、筋収縮の終了後に回復傾向を示した。一方、無機リンは負荷とともに増加し、負荷終了後減少を示した。pHの低下は咬筋の酸性化を示していた。
結論:T 2値の延長は、筋細胞内におけるPH低下によって、一時的な浸透圧の変化が起こり、水が細胞外から細胞内に移動することによって引き起こされると考えられる。骨格筋のT2値の変化は、様々な生理学的パラメータと相関を示すことが報告されており、 mfMRIは非侵襲的な咀嚼筋活動の測定手法として有用であることが示唆された。疲労関連物質(PCr,Pi)に特有の核磁気共鳴周波数だけを選択し、可視定量化を行い、高エネルギーリン酸化合物の評価を行う31P-MRSは、咀嚼筋疲労の評価に有用であることが示唆された。

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公開日: 2015-05-28  

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