研究課題/領域番号 |
23593041
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
齊藤 正人 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (50337036)
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研究分担者 |
安彦 善裕 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (90260819)
疋田 一洋 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (20238281)
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キーワード | 活性型ビタミンD3 / タイトジャンクション |
研究概要 |
平成24年度では、活性型VitaminD3(VD3)の添加濃度および添加時間におけるmRNAの変化を観察し、VD3添加レジンの濃度および塗布時間を決定した。濃度決定においては、様々な過去の報告を参考にコントロールにはDMSO、VD3は1、10、100nMとして行った。添加時間においては、4、8、24、48、72時間とした。 上皮における物理的防御機構であるタイトジャンクションタンパクClaudin-1では、24時間以降に有意な減少がみとめられ、Claudin-4においては8時間および48時間で有意な上昇が認められた。この結果は、平成23年度に行った免疫組織染色の結果を裏付けるものであり、VD3が上皮の分化亢進に関与していることが示唆された。 化学的防御機構において、抗菌ペプチドであるヒトβディフェンシン(hBD)-1、2、3およびカセリディシン(LL-37)の発現変化の検討をした。hBD-1は恒常性に発現するペプチドであるがVD3を10nM添加することにより4、48および72時間で有意な上昇を認めた。hBD-2においては10および100nMの8、24、48、72時間で有意な上昇を認めるものの、hBD-3では有意差は認めなかった。LL-37では、全ての濃度において約100倍以上の発現を8時間以降で認めた。 平成24年度の結果から、時間培養細胞では約48時間で分化亢進がみられること可能であることが示唆された。ラットの上皮は約3日でターンオーバーされる。そのため48時間が妥当であることが考えられる。VD3の濃度においては、10nMがClaudinおよびhBDで発現変化を多数認めたため、10nMが妥当と考えられた。平成25年度は、レジンに10nMのVD3を添加しラットにおける創傷治癒を観察する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験計画に基づき進行しているため、遅延および不備等の問題は認めない。
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今後の研究の推進方策 |
繰り越し金が、59,919円あるが研究試薬購入のため繰り越すこととした。そのため次年度の実験試薬に使用する予定である。今後、平成25年においての研究予定として、①ラット舌下面の創傷に活性型ビタミンD軟膏および接着性レジン塗布後のwound healingを観察する。②活性型ビタミンD含有した接着性レジンの作製を行っていく予定である。また、論文投稿費用としても研究費を使用する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の実験としては、材料の開発および動物実験が主体となる。そのため、実験動物の購入および接着性レジン作製関連、標本作製関連、免疫染色関連試薬の消耗品関連を購入するため使用する。また、論文投稿費用に使用する。
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