研究概要 |
【目的】平成24年度は、まず、破骨細胞分化に重要なmicroRNAを見つけることを第1目標とした。次に、破骨細胞がmicroRNAを含むExtracellular Microvesiclesを分泌するかどうか、分泌するなら、どのようなmicroRNAを含むのかを調べることを第2目標とした。 【方法】 破骨細胞分化に重要なmicroRNAを見つけるために、RAW264.7を用いて、RANKL単独とTNF-αとRANKLを組合せの2通りで検討した。マイクロアレイ解析で網羅的に発現解析した後に、発現変動の大きかったmicroRNAについて、マウス初代骨髄細胞を使って、qRT-PCR法でアレイ解析の結果を検証した。 また、マウス初代骨髄細胞をM-CSFとRANKL存在下で培養して得られた破骨細胞の培養上清から、Extracellular Microvesicles ペレットを回収し、qRT-PCR法でmicroRNA発現を解析した。 【結果と考察】破骨細胞分化に重要なmicroRNAとしてlet-7e, miR-21, miR-33, miR-155, miR-210, miR-223, miR-378, miR-1224等が考えられた。この8種類のmicroRNAについて、破骨細胞が分泌するExtracellular Microvesiclesに存在するか調べたところ、miR-378, miR-210, miR-21は、多量に存在する一方、miR-33とmiR-1224は存在しなかった。以上より、破骨細胞はmicroRNAを含むExtracellular Microvesiclesを分泌するが、細胞内で発現している全てのmicroRNAが、Extracellular Microvesicles内に存在するとは限らないことが示された。
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