研究課題/領域番号 |
23593053
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
朝田 芳信 鶴見大学, 歯学部, 教授 (20184145)
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研究分担者 |
伊平 弥生 鶴見大学, 歯学部, 助教 (40200018)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 歯胚消失 / ELマウス / 第三臼歯 / マイクロアレイ解析 / 遺伝発現解析 |
研究概要 |
EL/KwとEL/seaマウスの生後5日、7日、10日のin situ hybridization (ISH)と免染結果より、生後5日でLef1遺伝子発現に抑制がみられ、7日以降発現が消失する。この結果に呼応するように、生後7日ではLef1タンパクの発現が認められるものの10日では発現が消失する。上記の結果は、H.E.染色をもとにした組織学的所見(7日で歯胚の発育停止、10日で消失)と合致することから、Lef1遺伝子がELマウス第3臼歯の消失に関与していることは間違いないことを裏付けている。そこで、ISHと免疫染色(免染)の結果から、Lef1mRNAの発現制御に関わる項目の確認を優先することを目的に。(1)Lef1遺伝子のプロモーター領域の構造解析と(2)上流因子であるWnt10、Bmp4遺伝子の発現および局在(ISHおよび免染)について検討を始めている。さらに、Shhについても、免染結果においてEL/KwとEL/seaとの間で有意差あることから。Shh遺伝子の発現および局在を確認するためのISHを行い、現在解析中である。一方で、ラミニンαは歯原性上皮細胞の細胞増殖や細胞伸展に促進することがわかっており、ラミニンα5-/-マウスでは、円形の歯胚となることが知られている。ELマウスにみられる歯胚の消失過程は、上皮細胞のわずかな増殖がみられるものの、間葉組織の細胞増殖には至っていない。このことから上皮細胞の増殖に問題が生じていると考えるのが妥当である。そこで、ラミニンα5を標的遺伝子し、その受容体であるインテグリンα6およびβ4などを含む網羅的解析が必要と考え、マイクロアレイによる網羅的解析を進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コントロールであるEL/Kwマウスについて、生後5、7、10日齢の試料の採取が容易であるが、EL/seaマウスについては、交配が難しく生後5、7、10日齢の試料の準備が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
EL/seaマウスの交配ならびに試料採取が困難なため、Shh遺伝子のISHならびにマイクロアレイ解析の進捗状況に遅れが出ている。現在、交配環境の整備を改善し、交配が進んでいる状況にあるため、試料採取は円滑に進むと考えられる。そこで、今後は標的遺伝子の免疫染色ならびにISHとマイクロアレイによる網羅的解析を同時進行で進めていく。当初は平成23年度中に試料採取を終了し、Shh遺伝子ならびに関連遺伝子のISH解析、そしてマイクアレイ解析の経費として896,812円を予定していたが、実験交配が順調に行かず、平成23年度中には試料採取が困難となったため、896,812円を平成24年度に繰り越すこととした。
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次年度の研究費の使用計画 |
とくに、マイクロアレイ解析では、マウス臼歯の歯胚をターゲットにしているため相当量のRNAが必要であり、各日齢の試料を同時に得るための交配が難しい状況にある。そのため、平成23年度でのマイクロアレイ解析に必要な試料準備が終了しなかったため、平成24年度に継続する形での実施となった。
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