研究課題/領域番号 |
23593054
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
中村 浩志 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (00278178)
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研究分担者 |
宮沢 裕夫 松本歯科大学, 付置研究所, 教授 (90147637)
中村 美どり 松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (90278177)
八上 公利 松本歯科大学, 歯学部附属病院, 准教授 (00210211)
宇田川 信之 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70245801)
中道 裕子 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (20350829)
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キーワード | 骨再生 / 顎裂 / Ryk欠損マウス / 骨形成 / 骨吸収 / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 再生医療 |
研究概要 |
口唇口蓋裂患者は、中国や日本を始めとするアジアに多く、日本国内でも毎年約1/500人の割合で出生する。これらの患者は「咀嚼」「嚥下」「発音」などの様々な口腔機能に支障をきたすが、その治療は先天的欠損部に対する対症療法であり、治療効果が成長に追随しないため、成長の各段階で外科的な治療や口腔機能訓練、矯正治療などを必要とする。時間的・経済的な損失の他、精神的な苦痛が、本人および家族に影響を及ぼす。 Ryk遺伝子欠損マウス(Ryk KOマウス)は、高率に口蓋裂を発症するマウスである。このRyk KOマウスの顎裂部における骨再生を行い、骨再生部位局所における骨形成に必要な因子を解析し、ドラッグデリバリーシステムによる宿主成長追随型の骨再生療法を開発することを目的として本研究を企画した。 本年度の研究により、全身的にRyk遺伝子を欠損するマウスにおいて、口蓋裂を認め、併せて破骨細胞数および骨芽細胞数の減少を認めた。さらに骨芽細胞特異的Ryk遺伝子欠損マウスと破骨細胞特異的Ryk遺伝子欠損マウスの作製に成功した。骨芽細胞特異的Ryk遺伝子欠損マウスと破骨細胞特異的Ryk遺伝子欠損マウスともに、口蓋裂を認めなかった。したがって、骨芽細胞および破骨細胞におけるRykの発現は口蓋裂の発症には関与せず、他の細胞種におけるRykの発現が口蓋裂の発症に関わっていることがわかった。破骨細胞特異的Ryk遺伝子欠損マウスについては、なんら骨代謝異常が認められなかった。
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