研究概要 |
H24年度に侵襲性歯周炎対象家系において疾患関連遺伝子の候補遺伝子変異として残った4つの遺伝子変異について、さらに解析を行った。健常者のDNAサンプルをさらに96名追加して、Applied Biosystems 3130 sequencerを用いて遺伝子変異の有無の検証を行ったところ、2つの遺伝子変異に関してはコントロールにおいて認められたため除外した。候補遺伝子として残った遺伝子は、mastermind-like 2(MAML2)およびolfactory receptor, family 5, subfamily AU, member 1(OR5AU1)であった。MAML2に認められる変異はc.G1099A:p.E367Kで病原生の予測ソフトpolyphen2でprobably damaging、mutation tasterでdisease causing、SHIFTでdamagingと病原性の高い予測結果であった。一方、OR5AU1に認められる変異はc.G518A:p.R173Hであり、polyphen2でpossibly damaging、mutation tasterでdisease causing、SHIFTでdamagingと病原性の高い予測結果であったが、dBSNP135と1000genomeにおいてすでに報告のある変異であった。QR5AU1は機能的に侵襲性歯周炎への関与は予測されず、その変異はすでに報告されている変異であったことから、以下の解析はMAML2のみを行うこととした。 本家系以外の91名の侵襲性歯周炎患者において、MAML2の全エクソンで変異が認められるかを、Applied Biosystems 3130 sequencerを用いて調べたところ、病原生の高いと予測される変異は検出されなかった。
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