本研究では、歯周病の進行度と感染性心内膜炎の発症リスクとの関連について統計学的に検討することを目的とした。本研究には、徳島赤十字病院心臓血管外科に通院している心弁膜症の既往のある患者のうち、本研究に同意が得られたものを対象とした。 その結果、男性39名(64.2±14.4歳)、女性39名(70.4±12.0歳)、合計78名の被験者の資料を収集した。そのうち、7名が感染性心内膜炎の発症歴のある被験者であった。感染性心内膜炎発症患者は、発症していない心弁膜症患者と比較して歯周病原細菌の血清抗体価には差はみられなかったが、歯槽骨吸収率と要抜歯数において有意な差が認められた。
|