研究課題/領域番号 |
23593078
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
廣藤 卓雄 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (10189897)
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研究分担者 |
米田 雅裕 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (10253460)
内藤 徹 福岡歯科大学, 歯学部, 准教授 (10244782)
谷口 奈央 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (60372885)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 介護高齢者・障害者 / プロバイオティクス / 乳酸菌 / 口臭 / 口腔疾患 / 口腔内バイオフィルム |
研究概要 |
福岡歯科大学付属の介護老人福祉施設サンシャインプラザ、サンシャインシテイにおいて、入所高齢者の歯科治療を含めた口腔ケアを担当している。入所者の口腔健康状態、全身健康状態に関する調査を実施中である。また、乳酸菌Lactobacillus . salivarius WB21株配合タブレットおよびオイル状に調整した溶液体(わかもと製薬株式会社、東京、共同開発済み)の経口投与や乳酸球菌Enterococcus faecium WB2000株を含む歯磨剤を利用することによる影響について、健常人ボランティア や福岡歯科大学医科歯科総合病院来院患者に応用することにより検討した。その内容について、口腔細菌の変化について大きな影響や変化は認められなかったが、口臭の減少、歯肉出血の改善、唾液増加が認められた。また、唾液pHについては、実験群で2週間後に統計学的に有意な減少がみられたが、pH7を下回ることはなく、乳酸菌投与による口腔内の酸性化はないことがわかった。唾液緩衝能については、実験群で4週間後に統計学的に有意な改善がみられ、唾液の耐う蝕性の向上が認められた。高齢者の口腔状態をを反映する口臭に関与する硫化水素およびメチルメルカプタン高産生口臭患者口腔常在フローラの細菌構成を検査した結果、Streptococcus、Granulicatella の存在比率がコントロール群に比べて有意に低い一方で、Neisseria、 Fusobacterium、Porphyromonas, SR1 は硫化水素群で、Prevotella、Veillonella、Atopobium、Megasphaera はメチルメルカプタン群で特徴的に優勢であった。この結果によって、硫化水素高産生型とメチルメルカプタン高産生型の二種類の口臭関連口腔フローラの特徴が明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までのところ、乳酸菌Lactobacillus salivarius WB21株配合タブレットおよびオイル状に調整した溶液体(わかもと製薬株式会社、東京)の経口投与や乳酸球菌Enterococcus faecium WB2000株を含む歯磨剤を利用することによる影響について、健常人ボランティア や福岡歯科大学医科歯科総合病院来院患者に応用することにより検討を行い、病院来院患者や健常人ボランティア の口腔内において口臭や歯周組織状態の改善が認められ。口腔内状態への乳酸菌などによるプロバイオティクスによる有効性が示唆された。
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今後の研究の推進方策 |
今後、高齢者健常人ボランティアや高齢者来院患者による乳酸菌Lactobacillus salivarius WB21株配合タブレットおよびオイル状に調整した溶液体、Enterococcus faecium WB2000株を含む歯磨剤を利用することによる、口臭や口腔内疾患、口腔内環境への影響について検討するし、介護高齢者・障碍者の指標とする。また、介護高齢者・障碍者と口臭、口腔内バイオフィルムの解析などもプロバイオティクスと関連させながら検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
高齢者健常人ボランティアや高齢者来院患者の口臭検査 (官能検査、ガスクロマトグラフィー測定、オーラルクロマ測定、HCMアナライザー測定、ハリメーター測定)、口腔内検査、歯周組織検査、唾液検査を行った後、乳酸菌Lactobacillus salivarius WB21株配合タブレットおよびオイル状に調整した溶液体を服用することによる、口腔内細菌叢の変化、口腔疾患などの口腔内環境の影響と変化さらには全身健康状態への影響についての検討を行う。
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