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2011 年度 実施状況報告書

新しい口臭測定シートの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23593081
研究機関北海道大学

研究代表者

兼平 孝  北海道大学, 大学病院, 講師 (90194935)

研究分担者 森田 学  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40157904)
竹原 順次  北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (60216934)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード口臭 / 測定キット / 硫化水素 / メチルメルカプタン / ジメチルスルファイド / 舌苔
研究概要

【目的】口臭の原因は、老若男女問わず、口腔乾燥症(ドライマウス)によるものが最も多い。口腔乾燥症の原因として、若年層では口呼吸、中高年層ではそれに加えて、安静時唾液の減少が挙げられている。口腔粘膜の乾燥により、口腔内の自浄作用が低下、揮発性硫黄化合物(VSC)などの様々な悪臭物質が発生・滞留しやすくなり、中でも舌背に付着する舌苔がVSC産生の中心部位となると考えられている。本研究では、VSCの主成分である硫化水素に対する特異的な呈色反応を利用し、個人が独自に自分の口臭の有無を確認できる口臭測定キットを開発することを目的とした。【材料・方法】1)基礎研究:硫化水素の保持器具は綿棒(綿棒部4.7×15 mm)に硫酸亜鉛溶液を浸透、乾燥させて作製した。各濃度の硫化水素(硫化ソーダ)を含有した唾液は保持器具で吸収し、発色試薬と固定液を滴下して発色(青色)させた。そして、分光色差計(NF333; 日本電色工業株式会社、東京)で綿棒の発色量を定量した。2)臨床研究:北海道大学病院歯科診療センター口臭外来受診者を被験者とし、被験者の舌背部を、同保持器具で10回擦過し、舌苔中の硫化水素を吸収した後、口腔外で同様に綿棒の発色量を定量した。また、同時に口臭測定器(オーラルクロマ)によって測定した口臭値(VSC:硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルスルファイド)との関連を調べた。【結果・考察】1)基礎研究:唾液中に混合した硫化水素の濃度に比例して、発色量も増加することが明らかとなった。2)臨床研究:被験者の舌苔を擦過して発色させた場合も硫化水素およびメチルメルカプタンの濃度と発色量との間に相関が認められたが、ジメチルスルファイドの間には認められなかった。しかし、被験者によっては硫化水素量が高くとも綿棒の発色量が低い者がおり、その理由の解明と発色量を増感することが今後の課題である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

1)in vitroの基礎実験に時間がかかったこと。 2)大学病院受診者を被験者とするための倫理委員会の承認に時間がかかったこと。3)デンシトメーターなどの機器購入が当初の計画より遅れたこと。

今後の研究の推進方策

(平成24年度)外来での受診者を中心に、口臭のない健常な被験者(対照群)、口臭を有する被験者(実験群)それぞれ50名ずつ合計100名の被験者について舌苔を採取して発色試験を行う。対象は、以下の被験者である。(平成25年度)得られた研究成果を国内外の学会で発表すると共に、論文として専門誌に投稿する。また、商品化するための特許取得、企業との提携を行う。

次年度の研究費の使用計画

研究の進捗に合わせて研究費を使用したため未使用額が生じた。研究計画自体に変更はなく、当初の予定どおり試薬や器具の購入、学会参加のための旅費、投稿する英語論文の校正に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 新しい口臭測定キットの開発 -舌苔中の硫化水素定量による-2011

    • 著者名/発表者名
      兼平 孝、本郷博久、坂本 亘ほか
    • 学会等名
      第56回日本唾液腺学会
    • 発表場所
      文京学院大学(東京)
    • 年月日
      2011 – 123

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公開日: 2013-07-10  

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