1998~2008年の経年調査で対象とした新潟市在住高齢者のうち、80歳時点(2008年)で20本以上の歯を有していた8020達成者を対象に調査を行った。得られたデータを80歳時のものと連結することにより、5年間の歯の喪失について分析した。その結果、大臼歯、ブリッジ支台歯および部分床義歯の鉤歯は歯の喪失リスクの高いことが示された。これは、歯科治療にはメリットだけではなくデメリットも存在すること、また大臼歯について補綴処置を行う場合には長期的な歯の寿命(予後)について注意を払う必要があることを示唆するものである。
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