研究課題/領域番号 |
23593086
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小川 祐司 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (70345510)
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研究分担者 |
宮崎 秀夫 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00157629)
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キーワード | 2型糖尿病 / 歯周病 / 慢性腎臓病 |
研究概要 |
本研究目的は無作為化比較試験(RCT: Randomized Controlled trial)によって、2型糖尿病患者に対する抗菌的歯周治療がアディポネクチン濃度と慢性腎臓病(CKD)病態に及ぼす影響を定量的に検証し、歯周病と全身の健康の解明を目指すことである。本年度は初年度に引き続き、以下を遂行した。 1)研究対象者抽出:新潟大学医歯学総合病院糖尿病外来受診中の2型糖尿病患者のうち、内科的・歯科的基準(詳細割愛)を満たす17名(男性8名、女性9名、平均年齢59.1歳)を抽出。2)研究対象者無作為割付:無作為化比較試験で、抗菌剤使用治療群7名、抗菌剤未使用治療群5名、未治療群5名に割付。3) 歯周治療:研究0~8週、2週毎に機械的歯面清掃、口腔清掃指導を実施。4)抗菌剤局所応用:研究0~8週、2週毎にMinocycline抗菌剤を歯周ポケット4㎜以上の部位に局所投与。5)採血:研究0週、16週(および24週)に、血清の採血10mlを実施。血清は、アディポネクチン・クレアチニン・レプチン・高感度CRP・TNF-α・IL-6他血液生化学一般の濃度分析を株式会社BMLに委託。6)歯肉溝滲出液:研究0週、16週(および24週)に、歯周病原細菌総菌数中のP.gingivalis A.actinomycetemcomitans、T.forsythensis比率及び菌数の分析を株式会社ジーシ-に委託。7) 歯周組織診査:研究0週、16週(および24週)に、1歯あたり、頬・舌側の近心、中央、遠心の6点について診査。 初年度と合わせ、対象者数は計26名となった。研究継続中(データ集積中)の対象者がいるため、最終分析は25年度夏以降に実施する。すべてのデ-タはエクセルシ-トにパスワ-ド下で管理されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新潟大学医歯学総合病院糖尿病外来内科医師の協力の下、対象者の抽出を行っているが、研究対象としての内科的・歯科的条件を満たす外来受診の2型糖尿病患者数に限りがあり、かつ研究期間が長期のため、研究参加への同意が思うように得にくい面もあり、研究対象者の抽出に時間を要している。 研究の一部内容については、第91回IADRで学術発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
必要十分の対象者の抽出と目標数の確保を目指すと同時に、現在進行中の対象者における研究(デ-タ集積)完了とともに、最終分析を開始する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究計画と大きな変更はない。 研究成果の報告として第62回日本口腔衛生学会総会、第10回世界予防歯科学会にて学術発表を行い、合わせて論文作成を行う予定である。
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