本研究目的は無作為化比較試験(RCT: Randomized Controlled trial)によって、2型糖尿病患者に対する抗菌的歯周治療がアディポネクチン濃度と慢性腎臓病(CKD)病態に及ぼす影響を検証し、歯周病と全身の健康の解明を目指すことである。2型糖尿病患者のうち、治療群には、口腔清掃指導とスケーリング(一部抗菌剤使用含む)を2週毎に5回を実施し、対照群には口腔清掃指導を実施した。その結果、治療群でHbA1cの減少を示したが、eGFR、アディポカインを含む他の血清マーカーに有意な変化は認められなかった。本研究結果による歯周治療のCKD病態への作用は限局的であることが示唆された。
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