研究課題/領域番号 |
23593091
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
福井 誠 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (50325289)
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研究分担者 |
伊藤 博夫 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40213079)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 唾液 / サイトカイン / 健康診断 |
研究概要 |
ヒトの唾液中には,消化酵素や分泌型IgA 等だけでなく,各種のサイトカイン等,様々な生理活性物質が含まれることが近年明らかにされている。また,唾液は血液に比べて採取に際しての侵襲性がなく容易に得ることができるため,臨床検査の検体としての利用が期待されている。本研究では,全身的に健康な者から採取した唾液中に含まれるサイトカインの存在の有無と濃度範囲を把握し,唾液を試料に用いた健康診断手法の基盤的データとなる,唾液中サイトカイン濃度の正常値の設定することを目的とする。平成23年度の予定では徳島大学の保健管理センターが実施する定期健康診断結果をもとにして血液生化学検査,尿検査,BMI など,全ての項目について正常範囲にあり,特定の疾患状態にない,全身的に健康であるとされる者を対象に本研究への参加を募り,同意が得られた者を被験者とするもので,対象者に連絡を行ったところ,50名ほどの研究参加希望者を得た。本研究の研究計画等の文書は平成22年度に徳島大学病院倫理審査委員会による審査を受け,すでに承認を得たものである。ところが,健康診断結果をもととするこの被験者の選別方法が健康診断実施時点での全受診者の同意を得ていないということが問題であるとの徳島大学病院倫理審査委員会の勧告により本年度のヒトを用いた研究は停止し、本来は平成24年度に行う予定であった健康マウスの血清および唾液中のサイトカイン測定を本年度に行うことにした。8週齢のBALB/c、C57/BL6、C3H/HeJの3系統の雄雌各5匹ずつより血液と唾液を採取し,普通食で6週間飼育後(14週齢)に再度血液と唾液を採取した。これらの検体中のヒトと共通のサイトカイン15種を選定し,本年度に購入したBio-plex Pro Wash Stationを含むサスペンションアレイ・マルチプレックスシステムを用いて測定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成23年度の予定では徳島大学の保健管理センターが実施する定期健康診断結果をもとにして血液生化学検査,尿検査,BMI など,全ての項目について正常範囲にあり,特定の疾患状態にない,全身的に健康であるとされる者を対象に本研究への参加を募り,同意が得られた者を被験者とするもので,対象者に連絡を行ったところ,50名ほどの研究参加希望者を得た。本研究の研究計画等の文書は平成22年度に徳島大学病院倫理審査委員会による審査を受け,すでに承認を得たものである。ところが,健康診断結果をもととするこの被験者の選別方法が健康診断実施時点での全受診者の同意を得ていないということが問題であるとの徳島大学病院倫理審査委員会の勧告により本年度のヒトを用いた研究は停止することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
徳島大学病院倫理審査委員会の勧告に従い,平成24年度には,健康診断の実施に先立って研究の周知を行い,健康診断受診者自身の応募による研究対象者の募集を行うことに修正し,再度徳島大学病院倫理審査委員会の承認を受けた。血液生化学検査,尿検査,BMI など,全ての項目について正常範囲にあり,特定の疾患状態にない,全身的に健康であるとされる者を対象に本研究への参加を募り,同意が得られた者を被験者とする。研究の内容について十分に説明を行った上で,唾液の採取および歯周組織検査を行い,歯周疾患の状態を診断する。唾液はサリベットコットンにて採取する。本研究では年齢,性差による影響も調査するため,20,30,40,50 歳代の各年齢層から男女ともに10 名ずつ,合計80 名の全身的にも歯科的にも健常な者の獲得を目指して行う。サスペンションアレイ・マルチプレックスシステムを用いて,唾液中のサイトカインの定量分析を行う。測定対象とするサイトカイン種は,IL-1α,IL-1β,IL-5,IL-6,IL-10,IL-12,IL-18,TNF-α,IFN-γ,MIG,PDGF,VEGF,M-CSF,LIFとする。これらのサイトカインは平成23年度にマウスで測定したものと同じものであり,ヒトと実験動物における唾液サイトカインプロファイル,濃度範囲の比較を行い,共通点や差違を調査し,今後の疾患モデルを用いた調査などの基盤データを得る。また,次年度以降,平成24年度に採取されたデータをもとに,一部被験者を選定し,唾液中サイトカインの日内変動の影響を調査する。対象被験者より,起床時,午前,午後,帰宅時,就寝前の唾液をサリベットコットンにて採取し,唾液中のサイトカイン濃度を測定し,個体内の日内変動の影響を調査する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度では,ヒトの唾液試料を採取し,その中に含まれているサイトカインをサスペンションアレイ・マルチプレックスシステムを用いた定量分析を行う。測定に必要とする備品であるBio-plex Pro Wash Stationは昨年度購入しているため,本年度はサンプルの採取および調整に用いるプラスチック器具,測定に用いる試薬の購入が主となる。平成23年度はヒト唾液試料の測定を行わなかったため,購入しなかった試薬に係る費用が次年度使用額として計上されているが,これは平成24年度に予定されていた試薬を購入することで使用する。また,研究補助に関わる謝金,学会発表および論文投稿にかかる費用を計上している。
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