平成24年度と25年度に徳島大学で実施した職員定期健康診断にて,全ての検査が正常範囲内にあり,全身的に健康であるとされる者に本研究への参加を募った。なお,検査項目はBMI,肝機能検査,糖尿病検査,脂質検査,貧血検査,血圧,尿検査など31項目である。参加同意が得られた者37名(男性12名,女性25名,平均年齢35.2歳)を対象者とした。唾液はサリベットコットン(Sarstedt 社)を用いて採取した。唾液中サイトカイン濃度の測定はBio-PlexTM(Bio-rad社)にて1分間の刺激唾液を採取した。唾液採取後に歯周組織の健康状態を調べた。,IL-1α,IL-1β,IL-5,IL-6,IL-8,IL-10,IL-12(p40),IL-12(p70),IL-18,IFN-γ,LIF,M-CSF,MIG,PDGF-bb,TNF-α,VEGFの16種のサイトカインについて行った。 測定したサイトカインのうちIL-1α,IL-1β,IL-5,IL-8,IL-18,M-CSF,MIG,VEGFは全ての被験者から機器の測定可能範囲の値が計測された。なお,これらのサイトカインのうち,IL-5を除く7種のサイトカインは女性よりも男性で有意に高いレベルにあった(p<0.05,Mann-Whitney U検定)。 本研究の結果,健常者の唾液中サイトカインの特徴が明らかになり,唾液を試料に用いた新規健康診断手法開発のための基盤となる情報が得られた。
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