研究課題/領域番号 |
23593092
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
福田 英輝 長崎大学, 大学病院, 講師 (70294064)
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キーワード | 咀嚼回数 / 食べる速さ / 肥満 |
研究概要 |
我々は、長崎大学工学部と共同して側頭筋の動きを圧力センサーで感知することで咀嚼回数を計測する機器を開発した。本研究の目的は、この計測器を使用して、中年期から高齢期成人における日常の食事にかかる咀嚼回数が、日常生活自立度やQOL(生活に対する満足度など)に与える横断的、あるいは縦断的な影響について明らかにすることである。 研究初年度は、長崎県佐世保市在住の食生活改善推進員154名に対して、おかずの量と内容を統一した規格弁当を食べ終わるまでの咀嚼回数と時間を計測し、各人の基礎データとした。あわせて、食生活習慣、肥満度、日常生活自立度、QOLに関する質問紙調査を同時に実施した。 咀嚼回数計測器の精度は、すでに大学生を対象として実施しているが、中年期女性に対する検討を行っていなかった。そこで、今年度は、咀嚼回数計測器の精度を検討した。その結果、咀嚼回数計測器による咀嚼回数は、本人のカウントによる咀嚼回数、および観察者のカウントによる咀嚼回数と高い相関を有しており、相関係数はそれぞれ0.89、および0.93であった
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
食生活改善推進員の活動にあわせて調査を企画しているため、調査日程の調整に手間取ったことが理由としてあげられる。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、初年度と同一対象者に対して同様の調査を通じて、咀嚼状況が日常生活自立度やQOLに与える影響を横断的に評価することを予定している。 対象者数が150名前後と小さいことから、調査対象者を食生活改善推進員に限らず、対象者の拡大ができないか検討している。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初予定していた調査対象者数に満たなかったため、当初予算額と比較して使用した研究費が小さかった。今年度は、対象者の範囲を拡大し、追加調査を実施することで、当初の予算額の支出を見込んでいる。
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