研究課題/領域番号 |
23593096
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
邵 仁浩 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10285463)
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研究分担者 |
安細 敏弘 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (80244789)
粟野 秀慈 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (20301442)
吉田 明弘 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (20364151)
峰岡 哲郎 九州歯科大学, 歯学部, その他 (50571402)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 歯周病 / ストレス評価 / 唾液検査 / 質問紙調査 / ホルモン |
研究概要 |
本研究では、唾液中バイオマーカーを用いた歯周病検査方法と、それを補完するライフスタイルや全身的健康状態などの多元的要因を考慮した歯周病に関する質問紙とを開発し組み合わせることで、歯周病の病態を正確に把握できるプロービングに替わる新しい歯周病検診システムの構築を目的としている。本研究のデザインは、40歳以上の地域住民を対象としたケース・コントロール研究である。 平成23年度はデータの収集にあて、次の項目1)口腔症状や健康行動についての問診2)口腔診査;齲蝕診査、歯周組織診査 3)ストレス評価;STAI (State-Trait Anxiety Inventory)、GHQ28(General Health Questionnaire)、Stress copingに関しては、SCI(Stress Coping Inventory)4)唾液流出量検査(安静時唾液量、およびガムテストによる刺激唾液量検査)5)唾液を検体としたストレスマーカーの測定と評価 6)対象者に対し、歯周病病態把握のための多元的尺度構成を具備した自己記入式質問紙暫定版による調査を実施した。 パワー指標による予定人数に達しなかったため、平成24年度についても引き続きデータを収集する予定である。また、自己記入式質問紙暫定版については各項目について因子分析を用い因子の抽出と意味付けを行い尺度構成し、尺度構成された項目について、内部整合性や歯周病との関連性を検討し、整理・改良を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
パワー指標による調査予定人数に達しなかったことと、唾液検査等の一部データが収集できなかった調査対象者がいたことである。平成24年度にはこれらの点について改善していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は統計学的手法を用いた解析作業による唾液中バイオマーカーを用いた歯周病検査方法の有効性の検討および多元的尺度構成を具備した自己記入式質問紙票の試作を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は多元的尺度構成を具備した自己記入式質問紙票開発のため引き続きデータの収集にあたる。質問紙暫定版の各項目について因子分析を用い因子の抽出と意味付けを行い尺度構成する。尺度構成された項目について、内部整合性や歯周病との関連性を検討し、整理・改良を行う。再度収集されたデータに基づき、質問紙の信頼性・妥当性の検討を総計学的に行う唾液中バイオマーカーを用いた歯周病検査方法の有効性検討のためデータ入力および統計解析を進める。歯周病罹患者群と歯周病に罹患していないコントロール群間の比較検討を行う。統計解析には統計ソフト(SPSS)を用い、以下のような手順で行う。(1)パラメトリックないしノンパラメトリック解析を用いてグループ間の各バイオマーカー値を比較検討する。また年齢、全身状態、喫煙、薬剤などの交絡因子の検討も行う。(2)ストレスマーカーを独立変数として重回帰などを用いて検討する。その際、交絡因子による補正の有無も考慮したモデルを作成し、歯周病の病態や重症度との関連を検討する。(3)歯周病の病態との間に有意な関連が認められたバイオマーカーやストレス評価結果を考慮した歯周病評価票を開発し、統計学的に感度、特異度の他、ROC曲線を求め、適正カットオフ値の計算を行い、歯周病検査法としての有効性を検証する。また、歯周病の正確な病態把握のため、唾液中バイオマーカーを用いた歯周病検査方法と多元的尺度構成を具備した自己記入式質問紙との組み合わせを統計学的に検討し、組み合わせた場合の歯周病評価基準を設定する。
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