研究課題/領域番号 |
23593100
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
竹下 玲 明海大学, 歯学部, 准教授 (70236454)
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研究分担者 |
岡本 和彦 明海大学, 歯学部, 准教授 (50271234)
高野 安紀子 明海大学, 歯学部, 講師 (20337504)
安井 利一 明海大学, 歯学部, 教授 (20146252)
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キーワード | 歯周病原性細菌 / 口腔上皮細胞 / 細胞内侵入 / P. gingivalis |
研究概要 |
Cell line化されたヒト口腔上皮細胞様細胞KB細胞やHSC-2細胞にS. oralisとP. gingivalisを感染させ、P. gingivalis の細胞付着能と細胞侵入能について検討するための予備的実験として、S. oralisが細胞にどのような作用を示すかについての基本的な検討を行う予定であった。また、S. oralisの研究が推進できなかった時には、P. gingivalis によるIL-6の遺伝子発現に関する情報伝達機能を解析予定でいた。P. gingivalis 33277株は、KB細胞のIL-6遺伝子発現を強く誘導し、上清中に、そのサイトカインタンパク質が増加する。これらのことを、昨年度までに、明らかにしている。また、その誘導作用は、p38の阻害剤SB202190により特異的に阻害される可能性を示すデータを得ていたので、その点を確認した。さらに、Phospho-p38、p38、Phospho-ERK、並びに、ERKを認識する抗体を用いたWestern blotの結果から、p38のリン酸化が強く誘導されることが示された。P. gingivalisの粘膜上皮細胞への付着と細胞内侵入に、41-kDa線毛と67-kDa線毛が必須であることを、それぞれの抗血清を用いて確認した。また、このIL-6誘導作用は、坑本菌41-kDa線毛抗血清で阻害された、興味あることに、坑本菌67-kDa線毛坑血清を本細胞に処理すると、本菌誘導性IL-6遺伝子は抑制された。 これらの結果から、P. gingivalisは、KB細胞において、41-kDa線毛を用い細胞に付着し、その後、67-kDa線毛を用い、細胞内に侵入する。さらに、その細胞内侵入に伴い、細胞内情報伝達系を刺激することによって、サイトカイン発現などの生物学的活性を発揮することが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
機器の不具合や培養の不具合のために、実験の進行が思うに任せない状態が続いた。また、研究代表者の置かれている状況に厳しいためであると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
2013年度の研究を、順調にすすめることが難しかった。遅れている研究内容を取り戻せるように、2014年度はS. oralisが細胞にどのような作用を示すかについての基本的な検討を行う。また、S. oralisの研究が推進できなかった時には、P. gingivalis による細胞内侵入が、どのように生物学的作用を有するかについて検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験がはかどらず、研究に費やす時間がなかなか取れなかった上に、機器の故障などによって、実験回数が著しく抑制された。試薬も、当初予定していたものより安い品物を探し出し、それを使用した。 研究の遅れを取り戻すために、物品などの費用を中心になると思われるが、試薬などを中心に購入していく。
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