今後の研究の推進方策 |
当初、予定していた「口臭症の国際分類に基づき、生理的口臭と判定され、全身疾患を有しない者」という被験者の選択基準は、高齢になるほど厳しくなり、多数の被験者を集めることが困難である。これまでの検討で、本研究で使用している電子嗅覚装置(FF-2A、島津)は、歯周疾患患者のスクリーニングで有用であること、喫煙者の口臭には硫化水素, 硫黄系, 芳香族系の成分が強く関与していることを明らかにすることができている。そのため、口臭症の国際分類に基づき、病的口臭症と判定された高齢者について、歯周病の有無、喫煙の有無などによってグルーピングし、口腔内のにおい発生源と考えられる唾液、舌苔、使用中の義歯、それぞれの揮発ガスをサンプリングバッグに集め、におい識別装置を用いて臭気を測定し、臭気指数を算出し、検討を行う。また、口臭に関する高齢者の意識を確認するため、①いつから感じているか②いつ強く感じるか③どのような時に意識するか④どんなことが困るか⑤どんな対処をしているか⑥これまでどんな診察を受けたか⑦相談できる人が身近にいるか、などについて質問票を作成し、他の年齢群と比較することも並行してすすめていく予定である。
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