研究課題/領域番号 |
23593105
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
青木 伸一郎 日本大学, 歯学部, 講師 (60312047)
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研究分担者 |
伊藤 孝訓 日本大学, 歯学部, 教授 (50176343)
梶本 真澄 日本大学, 歯学部, 助手(専任扱) (10445736)
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キーワード | リハビリテーション |
研究概要 |
ヒトの認知機能を時系列的に測定できる事象関連電位(ERP)を用いて、補綴治療が単に咀嚼機能の改善だけではなく、脳認知機能に与える影響、ひいてはQOLに与える影響について検討することを目的として、義歯装着治療前後の脳活動を客観的に測定し検討を行っている。 平成24年度は、「義歯治療前後の機能回復程度における評価指標の検討」として、平成23年度に行ってきた義歯治療予定を含む被験者に対して義歯装着直後および安定後1ヶ月の測定を追加した。被験者は、日本大学松戸歯学部付属病院に来院している患者とし、医療面接により脳疾患および精神疾患の既往が無いこと、また実験に支障がない程度の視力を有しているものとした。口腔状態は、事前にカリエスなどの治療を行い、義歯作成前には特に疼痛などは認めていないことを確認した。また義歯の不具合による変化を防止するため義歯装着前後に歯科QOL検査であるGOHAIを測定し、治療前後で支障を感じていないことや精神的なストレス指標である唾液アミラーゼ活性値を用いて義歯装着直後に比べ安定後1ヶ月のほうが軽減していることを確認し対象とした。脳波測定は視覚刺激による事象関連電位を測定した。測定の結果、脳の情報処理の一つであるパターン認知に関与すると言われるN200潜時が安定後1ヶ月のほうが短縮傾向であることから情報処理能力や認知機能の向上が認められた。 今後、被験者数の確保と同時に長期間経過における認知機能の変化についても検討を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「義歯治療前後の機能回復程度における評価指標の検討」について、現在のところ、被験者に対して順次測定を行い、被験者数の確保を行っている。 今まで測定してきた被験者においては、長期間経過後の変化についての測定を始めており、こちらも順次測定を行い、被験者数を増やしていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては、現在行っている「義歯治療前後の機能回復程度における評価指標の検討」に加えて、リハビリテーション期間における変化について検討を行う、「リハビリテーション過程の回復程度における評価指標の検討」が測定可能になってきた事から順次測定を行っていく予定である。また、症例数が確保され次第「義歯治療前後の機能回復程度における評価指標の検討」についても検討を行っていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度も前年度に引き続き脳波測定やQOL測定などを行っていくため、脳波測定に必要な生体皿電極、脳波記録用紙や生理的検査に必要な心理検査用紙、咬合力測定フィルムなどの購入を予定している。また測定結果を記録する記録用ハードディスクや解析に必要なソフトなど必要な消耗品を購入していく予定である。
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