研究課題/領域番号 |
23593106
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
田村 文誉 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (60297017)
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研究分担者 |
八重垣 健 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (40166468)
西脇 恵子 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (20398879)
菊谷 武 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (20214744)
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キーワード | 摂食機能 / 医療福祉 / 母子支援 / ヘルスプロモーション / 離乳 / 食育 / 育児負担 / 摂食相談 |
研究概要 |
本年度は、平成23年に実施したアンケート調査の結果から、食機能獲得期にある乳幼児の保護者を対象に摂食機能の発達促進を中心とした親子支援の必要性を明らかにすることを目的として検討した。東京都、千葉県、山梨県、沖縄県にある幼保一体型保育施設1か所、幼稚園4か所、療育センター1か所、療育サークル1か所に協力を求め、これらに通う子供の保護者576名を対象とした。食に関する支援ニーズの調査として、対象者の基本情報調査、実際に保護者が求めている支援について、食事に関する質問、中島らの育児負担感尺度、について調査した。統計学的検討は、Windows版SPSS ver.18を用い、χ二乗検定を行った。保護者の年代は、30代が最も多く、主たる育児従事者は母親530名であった。哺乳方法は、母乳と人工乳併用が289名と最も多く、次いで母乳のみ185名であった。離乳トラブルの経験があった者は82名であった。この82名について、育児負担感8項目との関係を検討したところ、自由が制限されていると感じるp=0.048、子供の世話が重荷p=0.025、プライバシーがないp=0.001、社会生活に支障を感じる、p=0.0001、と有意な関連が認められた。子供の食事について悩みがある場合、全ての育児負担感と有意な関連が認められた(p<0.05)。 本研究の結果より、親の育児負担には、離乳期の摂食指導が重要であることが示された。 さらに、平成23年度の対象者の中から摂食相談を希望した8名に対し、歯科医師による個別相談を実施した。希望者の内訳は、東京都4名、千葉県3名、沖縄県1名であった。東京都と千葉県の計7名は摂食機能に関すること、沖縄県の1名は歯に関する相談であった。東京都の3名中1名はその後、専門医療機関へ繋がった。千葉県の3名は既に専門医療機関に受診中であった。沖縄県の1名は相談のみで問題が解決した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アンケートの分析は順調に進んでいる。当初の計画であった無料相談から地域での専門医療機関につなげる計画については、初年度の文章による相談への回答により問題解決がなされたケースが多く、実数は増えなかった。また、職員アンケートは計画の段階までのため、平成25年度に実施を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度、24年度の調査結果に基づき、母子支援体制の具体的なモデルとして母子支援のための健康増進プログラム「食べ方サポートサークル」の実施を継続するとともに、摂食指導の効果検証を行う。研究代表者の田村とともに、研究分担者の八重垣と、海外研究協力者であるアメリカカリフォルニア州レッドランズ大学コミュニケーション障害学Prof. Michael E. Groherが調査内容の構築・推敲を行う。研究代表者の田村、研究分担者の菊谷が食行動および摂食機能に関して、研究分担者の西脇が母子への対応方法について、各地域でのキャリブレーションを行うこととする。 摂食指導の効果検証について; 1.対象;摂食指導を受けている患児とその保護者 2.方法;沖縄県において「食べ方サポートサークル」を立ち上げ、実施する。内容は、「子どもの食に関するスクリーニング評価」「母親の悩みに対する相談」「母子への摂食指導」を中心に行う。また、東京都において摂食指導を受けている患児とその保護者を対象に、摂食指導の効果に関するアンケート調査を行う。 最終年度は、健康増進プログラムの効果検証を行う。3年間の調査結果を検証し、子どもの食行動・摂食機能評価と、母親の育児ストレスについての関連性を比較する。それまでのデータについてまとめ、報告書を作製する。また、4年間の研究で得られた成果について、障害者歯科学会、国際歯科学会等において報告、論文発表を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
山梨県、沖縄県への調査および介入における旅費の支出が必要である。 データの解析を行うため、SPSS(南江堂statisticメディカルモデル)を購入する。昨年度計画していたが、未購入のため今年度購入予定である。また、「食べ方サポートサークル」の有効性について国内に発信する媒体を、DVDや冊子体にて作製することを継続しており、そのための支出が必要となる。
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