研究課題/領域番号 |
23593107
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
福田 雅臣 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (10189954)
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キーワード | 食育支援 / 食と咀しゃく / 学校歯科保健 / 教育効果 |
研究概要 |
本年度は,昨年度作成した「噛むこと」をテーマにした保健教育教材プログラムに基づき,昨年度と同様に,小学校高学年を対象に保健指導を開始した。実施実績は9校,参加児童数541名であった。 保健教育教材プログラム内容は小学校高学年が理解できる内容で構成してあるもので,「健全な口腔機能育成のための指針」(日本学校歯科医会発刊)で実践例として示されている内容に対応する内容である。 本プログラムの概要は,昨年度報告した通りで,「健康づくり」を柱として,「よく噛むためにはどのようのしたらよいのか」を問いかけ,噛むことの重要性を「噛む効果の体験学習」を通して学ばせるもとした。また「よく噛むためにはどのようのしたらよいのか」から生活習慣を振り返らせることにより,「良好な生活習慣の形成」特に「早寝」「早起き」「朝ごはん」の習慣形成の獲得を支援する内容とした。また,本プログラムの特色を出すため,「噛む効果の体験学習」の教材として噛むことによって色調が緑から赤へ変化する“咀嚼能力判定ガム”と赤と青のガムを同時に噛んでもらい,その混ざり具合を評価する“混合力評価ガム”を使用した。 評価方法については,「歯・口の健康と食べる機能II」(日本学校保健会発刊)に示されているセルフチェックカードを応用し,保健教育実施直前(事前調査)と,実施1か月後(事後調査)に自記式にて行った。また,保健教育実施直後には本プログラムの印象と理解度についてのアンケート調査(質問紙1)と,1か月後には本プログラム内容の記憶状況と提示した目標の実践状況に関するアンケート調査(質問紙2)を行なった。本年度分のアンケート調査用紙は現在回収中であり,返却のあった対象校から順次データのチェックを行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は,予定通りの実施校は9校であった。一昨年度は,東日本大震災の影響で,対象校の決定,受け入れ態勢の整備の遅れなどから,保健指導実施時期に遅れが生じたが,本年度は,保健活動実施の障害となる事項もなく,円滑に遂行することができた。また,昨年度実施校は全て,中規模校,小規模校であったため,参加児童数は541名と,一昨年度の747名より少人数であったが,2年間の参加者数は1288名となり,当初,本研究での対象者数の目標であった1000名に到達することができた。 また,一昨年度同様に,年中に保健指導および事後調査の両方を実施することができず,調査用紙の回収時期が遅くなってしったケースや,回収方法も事前事後アンケートを一括して送付・返却の形式をとっているため,返却時期にばらつきが生じてしまった。そのため,データ入力にも遅れが生じているが,現在,逐次データ入力を開始している。
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今後の研究の推進方策 |
3年目(平成25年度)に関しては,一昨年・昨年度と同様に,学校での保健指導と調査を実施していく。ただし,本年度は研究最終年であることから,質問票の回収時間を考慮して,実施時期を早く校は昨年度実績よりも,少なくなることが予測される。現在のところ9校を予定している。評価に関しては,一昨年・昨年度同様,「歯・口の健康と食べる機能II」(日本学校保健会発刊)に示されているセルフチェックカードを応用した評価と,保健教育実施直後には本プログラムの印象と理解度についてのアンケート調査(質問紙1)および1か月後の本プログラム内容の記憶状況と提示した目標の実践状況に関するアンケート調査(質問紙2)を行う予定である。また,これまで作成・使用した保健指導用媒体の不備な個所の修正,内容の簡略化などの修正を行。さらに,教育媒体開示をめざし,適切かつ,より理解しやすい表示法や画像の改善,質問項目の不備な点についての修正を加えていく。 今年度は研究最終年であることから,データ入力を速やかに行い,解析を実施していく。データ分析に関しては,セルフチェックカードの事前調査と事後調査での行動変容についての解析,また質問紙1と質問紙2の関連性,セルフチェックカードから得られた事前・事後での行動変容と質問紙1,2との関連性について,多変量解析を実施して行く予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費としては,アンケート集計および多変量解析を行うための統計解析用ソフトウエアの購入を予定している。また,教育媒体の修正・改訂まで研究が進展しなかったため,昨年度までに購入できなかった媒体作成用のソフトウエアの購入に関しては,繰り越し分を充当することを予定している。さらに,データの管理を厳格に行うこと,歯科保健教育媒体を円滑に作成するためのコンピュータの購入する予定である。また,保健指導の効果判定,特に噛むことに関して変化を客観的に評価する必要性が生じた場合,咬合状態の測定・評価を行える機材の購入も予定している。 旅費としては調査施設への交通費,成果発表および情報収集のための学会参加の交通費を予定している。 人件費・謝金については,データ入力依頼のための費用が中心になる予定である。特に,3年間分のデータを入力・解析するために,繰り越し分を充当することになる。 その他の支出予定については,記録用媒体の購入,調査用紙印刷費などに使用する。
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