研究課題
(1) Fの歯周病原細菌に対する抗菌活性の検討P. gingivalisを含む歯周病原細菌に対するFの抗菌活性を検討するため、各濃度に調整したFを含む細菌培養用培地中に歯周病原細菌を培養し、発育阻害が認められる希釈倍率について検討した。さらに、ディスクを用いた阻止円からの検討も行った。低濃度フッ化物による抗菌活性がNaFによるものであることが示唆された。(2) Fの骨芽細胞分化に及ぼす影響の検討SDラット未熟頭蓋冠より分離した骨芽細胞を、ビタミンD3、 デキサメタゾンを含むα-MEM培地で培養し、F添加の有無による影響を解析する。骨芽細胞分化マーカーとして1型コラーゲン、Alkaline Phosphatase (ALP)、Osteopontin (OPN)、 Osteocalcin (OCN)、Bone sialoprotein (BSP)、また破骨細胞分化制御因子としてreceptor activator of nuclear factor-κB ligand (RANKL)、osteoprotegerin (OPG)、macrophage colony-stimulating factor (M-CSF)の発現をリアルタイムPCR法より評価した。低濃度フッ化物によるOPGの発現が増加した。また、RANKL mRNAレベルでの減少がみられた。これらの結果より低濃度フッ化物が破骨細胞分化を抑制していることが示唆された。
2: おおむね順調に進展している
Fの抗菌作用が確認でき、骨芽細胞分化促進および破骨細胞分化制御作用により関連遺伝子についても解析可能であり、影響の強い遺伝子に着目できる。
Fの破骨細胞分化誘導および活性化に及ぼす影響の検討 5-10週齢のSDラットの大腿骨から採取した骨髄細胞を、10%FCS、50ng/mL M-CSF、15ng/mL RANKLを含むα-MEM培地で7日間培養し、F添加の有無による影響を解析する。 破骨細胞の分化は、酒石酸抵抗性フォスファターゼ (TRAP) 染色およびPit Formation Assay法(SEM法)より解析する。また、破骨細胞活性化はウェスタンブロッティング法よりカテプシンK、MMP2、MMP9の発現を評価し、ゼラチンザイモ電気泳動よりMMP2、MMP9の活性化を評価する。
細胞培養関連試薬類・消耗品分子生物実験試薬類・消耗品・酵素類・抗体類RNA解析試薬類タンパク質解析試薬類実験動物
すべて 2012 2011
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (7件)
Biochemical Biophysics Research Communication
巻: 419(2) ページ: 441-446
Archives of Oral Biology
巻: 57(1) ページ: 73-80
Journal of Pathology
巻: 224(3) ページ: 420-429
European Journal of Cancer
巻: 47(11) ページ: 1747-1758
International Journal of Molecular Medicine
巻: 27(4) ページ: 491-495
Bone
巻: 48(4) ページ: 864-877