研究課題/領域番号 |
23593110
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
荒川 浩久 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (00130906)
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研究分担者 |
BHAWAL Ujjal 日本大学, 歯学部, 助教 (50433339)
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キーワード | 低濃度フッ化物 / 破骨細胞分化 |
研究概要 |
Fの破骨細胞分化誘導および活性化に及ぼす影響の検討: 5-10週齢のSDラットの大腿骨から採取した骨髄細胞を、10%FCS、50ng/mL M-CSF、15ng/mL RANKLを含むα-MEM培地で7日間培養し、F添加の有無による影響を解析した。破骨細胞の分化は、酒石酸抵抗性フォスファターゼ (TRAP) 染色およびPit Formation Assay法(SEM法)より解析した。また、破骨細胞活性化はウェスタンブロッティング法よりカテプシンK、MMP2、MMP9の発現を評価し、ゼラチンザイモ電気泳動よりMMP2、MMP9の活性化を評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験的歯周病モデルラットの作成はうまくいったため、生化学分子生物学的な解析により他の関連遺伝子についても解析可能であり、影響の強い遺伝子に着目できる。
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今後の研究の推進方策 |
実験的歯周病モデルラットを用いたF摂取の骨芽細胞および破骨細胞に及ぼす影響の検討: 3週齢のSDラットを使用する。ラットの健康状態を観察後、抗生物質を服用させ、口腔常在菌を減少させた後、PBSで作製した5%カルボキシメチルセルロース溶液で調整したP. gingivalis ATCC33277株の菌液を一日おきに3回ラット口腔内へ直接播種し実験的歯周炎を惹起する(Nakajima et al, J Periodontal Res, 2006)。Fの摂取は、NaF粉末をイオン交換水に溶解して調整したμMレベルの低濃度Fを常時摂取させる。P. gingivalis播種最終日から3日、7日および28日で屠殺後、試料を回収する。また、菌の定着を確認するため、屠殺時に採取した口腔内試料よりDNAを抽出しP. gingivalis特異的プライマーを用いたPCR法を行う。歯槽骨吸収量の評価は、マイクロCTによる解析、およびFLOVEL タブレット操作型ビデオミクロメータを用いてセメントエナメル境から歯槽骨頂までの距離を測定することで行う。また、炎症状態の評価は、H-E染色による病理組織学評価、抗ラットマクロファージ/樹状細胞モノクロナール抗体(Clone No. RM-4)およびTNF-αの免疫組織学的評価より行う。さらに骨芽細胞活性を評価するため1型コラーゲン、ALP、OPN、 OCN、BSPの発現を免疫組織学的に評価する。破骨細胞活性を評価するためTRAP染色およびカテプシンK、MMP-9、MMP-2の発現を免疫組織学的に解析する。RANKL、RANKの発現は、蛍光in situハイブリダイゼーションを用いて解析する。これらよりF摂取による骨吸収、炎症、破骨細胞活性化に及ぼす影響を評価する。
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次年度の研究費の使用計画 |
細胞培養関連試薬類・消耗品 分子生物実験試薬類・消耗品・酵素類・抗体類 RNA解析試薬類・タンパク質解析試薬類 実験動物類・ラット また、平成24年度の科学研究費の一部は平成25年度にも使用する。
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