研究課題/領域番号 |
23593113
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
長野 豊 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (80228048)
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研究分担者 |
有城 久美子 大阪歯科大学, 歯学部, 研究員 (20460769)
堂前 尚親 大阪歯科大学, 歯学部, 名誉教授 (60115889)
能登原 靖宏 大阪歯科大学, 歯学部, 研究員 (10548324)
三宅 達郎 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (40200141)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 歯周病 / バイオマーカー |
研究概要 |
糖尿病・メタボリックシンドロームや動脈硬化性疾患と歯周病の間に双方向性の関連があることが明らかにされ,歯周病は糖尿病の合併症のひとつとして位置づけられている.歯周状態は定期的に歯科医師によるチェックを受けて把握することが望ましいが,わが国では歯科検診が十分普及しているとは言えず,歯周状態を反映する全身的なマーカーを同定する必要性が高い. すでに健常人を対象とした検討で,加齢や喫煙に加えて,高分子量アディポネクチンの総アディポネクチンに対する比が,歯周状態と独立して関連する因子であることを示し報告したが(Nagano et al. Biomarkers 16, 106-111, 2011),今回の研究では治療を受けている歯周病患者を対象として,治療によって変化がみられる項目について,特に動脈硬化との関連に注目した検討を開始した. 大阪歯科大学附属病院に歯周病の治療を目的に来院した新規患者のうち,同意が得られた人を「治療群」として,歯周基本治療の前,終了直後,終了3ヶ月後の3回,口腔内診査,血中脂質を含めた血液生化学検査,flow-mediated dilationによる血管機能検査を行っている.比較対象としては,新規患者の中に治療を行わない群を作って検討するのではなく,歯周治療が終了した患者で経過観察を目的に来院中の患者を「観察群」として,およそ3ヶ月ごとに計3回,治療群の患者と同様の検討を行っている. 検討は順調に進んでおり,動脈硬化に関連する接着分子やケモカインなどが,歯周基本治療で減少するというデータを得て,すでに学会で発表している.今後,対象者の数を増やし,さらに動脈硬化に深く関連する因子の変動についても検討したいと考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究の枠組みを作り終え,対象者のエントリーも順調で,データも得られていることを考えると,現在,50%程度の達成度だと言える.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き対象者を増やすよう,歯周病科と協力して努力を続けると同時に,得られた検体を用いて,これまで測定していない項目,特に動脈硬化に関連した項目を測定して,変化を検討したいと考えている.
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次年度の研究費の使用計画 |
採血や血管機能検査にかかる費用のほか,収集した検体を用いて一斉にELISAなどで各種因子を測定するためのキット購入費や,外注で測定する項目のための費用などに使用したいと考えている.また,データ整理などに対する謝金や,研究成果発表のための費用も引き続き必要である.
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