研究課題/領域番号 |
23593115
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研究機関 | 九州保健福祉大学 |
研究代表者 |
原 修一 九州保健福祉大学, 保健科学部, 教授 (40435194)
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研究分担者 |
三浦 宏子 国立保健医療科学院, その他部局等, その他 (10183625)
山崎 きよ子 九州保健福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (20331150)
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キーワード | 口腔機能向上 / 在宅高齢者 / 摂食嚥下機能 / 反復唾液嚥下テスト / オーラルディアドコキネシス |
研究概要 |
平成25年度は、宮崎県県北地域にあるA村在住の在宅高齢者を対象に、2年間の自覚的摂食嚥下機能を調査し、自覚的摂食嚥下機能の低下と関係する摂食嚥下関連要因について検討した。 対象は、A村に在住し、2011年(以下初回調査)と2013年(以下再調査)の住民検診において、摂食嚥下機能に関連する実地調査と追跡的質問紙調査が可能であった高齢者130名である。初回調査時に、最大発声持続時間(MPT)、反復唾液嚥下テスト(RSST)、オーラルディアドコキネシス(OD)、歯科学的検査および地域高齢者誤嚥リスク評価指標(DRACE)による質問紙調査を実施したが、今年度の再調査時は、ODとDRACEによる質問紙調査のみを実施した。2年間のDRACEの得点の変化を算出し、初回調査時の客観的摂食嚥下関連機能、または、初回調査・再調査のOD回数の変化との関連性を分析した。 この結果、再調査時にDRACE3点以上のハイリスク者は49名(37.7%)存在した。このうち13名の対象者は、初回調査時はDRASEにおいて摂食嚥下機能にハイリスク者として判定されなかったが、再調査時は、「ハイリスク」と判定された者であった。初回調査時における客観的嚥下関連機能との関係では、RSSTとOD「ぱたかと、2年後のハイリスクとの有意な関連性を認めた(p<0.05)。一方、初回調査・再調査のOD回数の変化との関連性を検討したところ、OD「た」において、2年後の回数の低下と2年後のハイリスク判定との有意な関連性を認めた(p<0.05)。 RSSTは、嚥下運動を反映し、ODは、構音または摂食嚥下機能における口唇・舌の巧緻性を反映していると考える。今年度の結果は、地域在宅高齢者の口腔機能維持のための介護予防プログラムには、嚥下運動および摂食嚥下準備期・口腔期に必要な口唇・舌運動を入れる必要性を示唆していると考えられる。
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