ヒト歯肉由来の上皮性細胞と線維芽細胞、およびヒト大腿骨由来の骨芽細胞と市販のヒト骨芽細胞キットを用いて、細胞のカドミウム(Cd)に対する様々な応答を検討した。細胞のCdに対する応答は細胞種で異なっており、Cd曝露で誘導されるサイトカインについても、その種類や濃度が異なることが明らかになった。以上の結果から、喫煙者の歯周組織はタバコ中Cdにより障害を受けていることが確実となった。さらに、Cdに曝露された骨芽細胞では、cyclooxygenase(COX)の産生が促進されることが示された。このことは、歯周治療効果は非喫煙者に比べ喫煙者で劣る傾向にあるという臨床報告に有用な知見を与えるものと考える。
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