研究課題/領域番号 |
23593119
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岩本 幹子 北海道大学, 保健科学研究院, 准教授 (50292040)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 看護倫理 / 看護教育 / 医療倫理 |
研究概要 |
医療専門速射が共有する臨床で起きている倫理的問題の特定のために、チーム医療を実践する専門看護師、看護管理者を対象にインタビュー調査を行うとともに、臨床倫理委員会や他職者を対象とした臨床倫理に関する研修に参加観察を行う。また、同時に、文献から、教育プログラムのための事例の収集を行った。この過程で、医師・看護師以外のコメディカルスタッフの教育で活用できる倫理的問題に関する事例の蓄積が少なく、他職者間で共有できる問題を呈する事例の設定が困難であることが分かった。また、事例を取り上げて授業を進めるに当たり、各専門職者のもつ知識や技術が授業に還元され、内容を展開してゆくためには、事例の選択だけではなく、段階的な展開も視野に入れられる事象を考慮することが重要であることが分かった。インタープロフェッショナル教育による効果について、文献レビューを行った結果、これまでProblem-based Learningやシュミレーションを用いた方法と、従来の講義による授業方法の比較検討がされ成果が示されていた。しかし、本研究の対象となる他職者から構成され、基礎教育を終えた大学院生の場合は、さらに個々の能力を発揮し、主体的な取り組むを促すため、Team-based learningが適切であるとし、プログラム化を検討している。また、授業評価については、フォーカスインタビューによる主観的評価とともに、客観的評価として、既存の測定尺度を選択し、日本の社会文化背景で使用する妥当性について、項目を検討し、次年度にプレテストを行い評価する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
教育方法のレビュー、評価方法の検討についてはほぼ計画通りに進められているが、看護師や看護管理者を対象としたインタビュー調査と倫理委員会への参加観察については、平成23年度後半より体調を崩し遠方への出張が困難となったため、研究者自身が情報収集に出向くことができない状況を生じた。このため、さらにデータを収集する必要性と、質的分析の過程が残されている。
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今後の研究の推進方策 |
「臨床で起きている倫理的問題」について、情報取集を引き続き行い、分析した結果かから、多医療職者を対象としたプログラムに用いることのできる事例の作成を急ぐ。具体的なプログラムの展開方法については、現在、有力と思われるTeam based learningを用いて作成し、少人数のクラスで実施し評価を試みる。教育評価尺度の信頼性と妥当性について評価し、最終的なプログラム評価のツールとしての完成を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年11月より体調を崩し遠方への出張が困難となったため、研究者自身が情報収集に出向くことができない状況を生じた。このため、旅費、インタビュー対象者への謝金や、データ分析のための研究補助員に要する人件費において、執行残228175円が生じた。執行残金は、引き続きインタビュー、参加観察のための旅費とインタビュー対象者への謝金に残金を充てる予定である。また、平成24年度の予算は、プログラム作成のための専門的・知識の提供や、参加者への謝金を要する。また、データ分析のため、研究支援者雇用費の予算としている。
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