研究課題/領域番号 |
23593125
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
上原 佳子 福井大学, 医学部, 准教授 (50297404)
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研究分担者 |
長谷川 智子 福井大学, 医学部, 教授 (60303369)
石崎 武志 福井大学, 医学部, 教授 (80151364)
佐々木 百恵 福井大学, 医学部, 助教 (00422668)
北野 華奈恵 福井大学, 医学部, 助教 (60509298)
礪波 利圭 福井大学, 医学部, 助教 (10554545)
淺川 久美子 福井大学, 医学部, 兼任教員 (10614430)
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キーワード | 禁煙支援 / 看護学生 / 健康教育 / 喫煙防止 |
研究概要 |
本研究は、看護学生の禁煙支援力の関連要因および禁煙支援に必要な知識・技術・態度を明らかにして、看護学生の禁煙支援力育成のための教育プログラムを構築することを目的としている。平成24年度は、平成23年度に1回目調査を実施した看護学生60名を対象とした継続的調査の2回目、および新入生60名に対しては1回目調査を実施した。 2年目の調査を受けた看護学生に関して、1年目(1年時)と2年目(2年時)での、禁煙支援力、社会的ニコチン依存度、喫煙に対する態度の変化を、対応のあるt検定を行った。禁煙支援力では、禁煙支援力尺度得点が1年時は62.2±7.0、2年時は61.6±6.3で、2年時で平均得点が低下、つまり支援力が低下していたが、有意差はみられなかった。社会的ニコチン依存度では、加濃式社会的ニコチン依存度得点が1年時は20.3±4.6、2年時は20.7±4.5で、2年時で平均得点が増加、つまり、依存度が高くなっていたが、有意差は見られなかった。喫煙に対する態度では、0:まったくそう思わない~100:とてもそう思うにおいて、「今後自分は喫煙しない」では1年時で97.9±9.4、2年時で97.2±12.1、「大人の喫煙は個人の自由である」では1年時で58.3±25.9、2年時で58.1±30.2、「看護師の喫煙は個人の自由である」では1年時で27.6±29.8、2年時で30.9±29.5となっており、いずれも有意差は見られなかったが、看護師の喫煙に関しては2年時で寛容になっていることが伺えた。今後は、3年時、4年時と継続して調査を行い、継時的変化を明らかにしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度までに予定していた看護学生を対象とした調査は、4年間継続して同一対象者に調査を続けられるようにするためのID管理が必要となったため、当初計画の対象者数よりも少なくなっているが、新入生60名をあらたな対象に加え、また2年生に対しては2年目の調査を予定通り実施できた。また、新1年生に対しては、研究者および研究分担者が、さまざまな科目の喫煙に関連する授業項目において、繰り返し喫煙防止教育および禁煙支援教育の基盤となる喫煙の身体への影響に関する知識の授業を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
看護学生の禁煙支援力の経年的変化と関連要因の明確化のために、看護系大学生を対象に、現在の喫煙行動、将来の自己の喫煙予測、禁煙支援力、加濃式社会的ニコチン依存度、看護実践に対する自己効力感、共感経験に関する無記名自記式質問紙調査を毎年4月に縦断的に行い、それらの4年間での変化と関連について明らかにしていく。また、毎年、新入生を対象に加えていき、データを蓄積していく。さらに、禁煙支援力尺度の妥当性の検証のため、慢性呼吸器疾患看護認定看護師課程の研修生への禁煙支援力尺度の実施を追加する。 禁煙支援に必要な知識・技術・態度の教育方法の検討のため、文献検討を行い、必要に応じて禁煙支援を行っている医療従事者との意見交換や調査を実施する。 上記により、看護学生の禁煙支援力育成のための教育プログラムについて検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費として、質問紙作成に必要な用紙や封筒、インクトナーカートリッジ、質問紙の整理に使用するファイル各種、データの管理に使用するUSB等の購入に使用する。 旅費として、禁煙支援に関する情報収集や病院見学、学術集会参加の交通費・宿泊費として使用する。 人件費・謝金として、質問紙作成やデータ入力等の調査補助者への謝金に使用する。 その他、学術集会参加費、通信費等に使用する。
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