研究課題/領域番号 |
23593127
|
研究機関 | 浜松大学 |
研究代表者 |
木山 幹恵 浜松大学, 健康プロデュース学部, 准教授 (20345820)
|
研究分担者 |
森下 直貴 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70200409)
岡田 勇 創価大学, 経営学部, 准教授 (60323888)
田島 博之 秀明大学, 人文社会・教育科学系, 講師 (40406715)
|
キーワード | 看護倫理 / 医師-看護師関係 / コミュニケーション |
研究概要 |
1. 看護師の倫理的判断/行為の基盤となる能力について 看護倫理における重要概念である「徳」と「自律」について、アリストテレスやカントの倫理学的理論をもとに、その真意を看護実践の視点から整理した。現在、看護基礎教育において看護師の倫理として求めている「徳」は「良い」ものであり、看護師に求められる徳は「『良い人』であること」と示されている。しかしながら、アリストテレスは徳には知性的徳と倫理的徳の二種類あり、知性的徳(特にフロネーシス)を基盤にして「善い」行為を繰り返し鍛錬することで、倫理的徳が獲得され、その繰り返しから「善い人」になるとした。このことから、「看護師は『良い人』であること」を示すよりもむしろ、倫理的問題を捉える得るためにフロネーシスに着目し、倫理的実践を導くことができるために、モデルとなる倫理的判断/行為を繰り返し行うことによって「徳」を意識づけながら習得させる必要性を示すことが有用であることがわかった。 2.医師‐看護師間のコミュニケーションにおける潜在的問題 過去の自研究や国内外のレビューにより、わが国の看護師が倫理的ジレンマを感じている診療場面に共通する背景に、医師‐看護師間の役割遂行上の対立が示唆された。そこで、医師と看護師間における対立の現状を把握する目的で、中部地方の総合病院に勤務する医師と看護師を対象に、協働の実態調査を行なった。尺度は「Collaborative Practice Scales(1985)」を参考にした。結果は、現代の医師と看護師の協働的実践の現状について、医師は2因子、看護師は3因子によって説明できることがわかった。また、オリジナルの尺度が開発されてから19年、日本語版が公表されて7年が経過していることから、時流とともに各因子の関係性も変化していることが分かった。データ解析の詳細については、現在解析中である。
|