研究課題/領域番号 |
23593128
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
新實 夕香理 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 講師 (20319156)
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研究分担者 |
太田 勝正 名古屋大学, 医学部, 教授 (60194156)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 電子カルテ / 情報プライバシー / 情報共有 / 情報の必要度 |
研究概要 |
本研究の目的は、患者の情報プライバシーに対する認識と医療職種間の情報共有の必要性のバランスがとれた電子カルテ上の患者の個人情報の表示方法を提示することである。 平成23年度は、電子カルテ上の患者の個人情報項目について、それぞれの職種の職務遂行上の必要性の程度を明らかにするともに、患者のプライバシーへの配慮の観点から、電子カルテ上にどの情報項目をどの範囲で表示すべきと考えているかを明らかにすることを研究目的とした。 先行研究の結果を再確認し、個人の情報プライバシー観に対応した画面表示やチーム医療における情報共有のあり方に関する問題を明らかにした。また、まだ示されていない看護師以外の医療従事者についての患者の情報プライバシーと情報共有に関する認識を明らかにするために、半構成的インタビュー調査を計画した。そのための手続きを開始し、生命倫理審査委員会の承認を得た。 具体的な研究計画を示すと、看護師、医師のほか、薬剤師、医療ソーシャルワーカーなどのコメディカルまで研究対象を拡大し、小グループで構成されるインタビューを計画している。全体でおよそ60名から意見を得ることを予定している。調査内容は、基本属性と業務上利用する情報項目ごとの必要度、電子カルテの患者情報を非表示にした場合に生じうる問題などである。調査時間は60分程度である。本年度は看護師21名、診療放射線技師6名の計27名の調査を実施し意見を得たが、倫理審査に時間を要し、年度内に調査を完了することができなかったため、残りは平成24年度に持ち越しになった。今後の調査結果と併せて分析を進めて行く予定である。 関連する研究成果については、国内学会での発表を行い、参加者から今後の研究に役立つ有用な意見を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究協力の可能性と予備的な依頼を進めることはできたが、倫理審査上の遅れがあったため、当初計画していた調査開始時期よりも遅れて開始することになった。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度中に倫理審査の承認までが得られ、当初計画からやや遅れているが、平成24年8月までに調査が完了するように、早急に調査依頼をし、協力の得られた施設での調査を順次進められるように計画している。 さらに、当初計画は看護師に対象を絞っていたが、看護師以外の職種についてもより多くの成果が得られると考え、調査対象を拡大し、本研究を進めることとする。 また、平成24年度に開催される11th International Congress on Nursing Informaticsに参加して、この研究課題に関する最新情報を収集し、看護情報学専門家らと意見交換をし、今後の計画に役立てる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
インタビュー調査の開始が遅れたため、本年度に計上していた物品費、国内旅費、データ整理の謝金などの予算を平成24年度に使用することを予定している。また、平成24年6月に開催される11th International Congress on Nursing Informaticsでの情報収集、意見交換が重要と考えられ、そのための予算を執行する。
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