研究課題/領域番号 |
23593129
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
横内 光子 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10326316)
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研究分担者 |
大野 ゆう子 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60183026)
村田 幸則 藤田保健衛生大学, 医療衛生学部, 助教 (00566101)
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キーワード | 医療管理 / 病院管理 / システムシミュレーション / 外来化学療法 |
研究概要 |
平成25年度は,これまでに試作した外来化学療法部門のシステムモデルの精度を上げ、このモデルにより複数のシナリオに基づいてシミュレーション実験を実施した。ベッドの稼働率を指標として、看護師数や患者数を変化させてシミュレーション実験を行った。現状の10ベッドで約20名の患者を診療するシステムにおいて、看護師数を変化させた場合、現状の3名では平均ベッド稼働率は0.841(SD±0.003)であり、7名まで人数を増加させても、0.876(SD±0.001)と、ベッド稼働率に有意な差は認められなかった。患者数を現状の倍となる40名で設定した場合、現状の看護師数3名では、ベッド稼働率は0.841(SD±0.06)であり、12名まで看護師数を増加させたとしても、ベッド稼働率は0.8775(SD±0.029)と有意な差は認められなかった。一方、看護師数を減らした場合、看護師数1名では平均ベッド稼働率0.429(SD±0.279)、2名では0.760(SD±0.121)と80%を下回る結果となった。看護師数をベッド稼働率が変化しなくなる最大12名で固定し、患者数を変化させた場合、現状の20名の場合のベッド稼働率は0.59(SD±0.03)、30名で0.873(SD±0.03)、40名で0.874(SD±0.03)となり変化がなくなった。さらに20名から30名の間で詳細に人数を変化させたところ、23名でベッド稼働率0.798(SD±0.03)、25名で0.865( SD±0.03)となり20名と23名の間で有意差が認められたが、23名と25名では稼働率の有意差はなかった。 以上の実験結果からこのシステムモデルでは、3名の看護師で25~30名の範囲の診療を行うことが、ベッド稼働率の観点からするともっとも適切であるといえる。このように多様な条件設定から、最適な人員数や診療数を客観的な指標を用いて導き出すことが可能となった。今後さらに多様な条件設定による、ベンチマーキングを実施し、公開する予定である。
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